陸地の近く、水深約30mまでの岩礁域は、面積では海洋全体の0.1%ですが、光合成によって生産される物質量では10%以上にも及びます。高い生産力を担うのはコンブやホンダワラによる海中林です。海中林はアワビ・ウニ・イセエビや多くの魚の摂食・産卵・生息・逃避の場で、重要な漁場となっています。ラッコやアシカ、海鳥も集まるので、進化論を提唱したダーウインは「地球上最高の豊かさ」と絶賛しました。しかし現在、海中林は世界中で著しく縮小し、漁業が危うい状態となっています。これを磯焼けと言います。磯焼けの仕組みと海中林の修復について一緒に考えてみましょう。

開催日 : 2007年12月14日(金)
谷口教授は、地球上で最も生産力が高い沿岸岩礁生態系の成立機構を解明する水圏植物生態学が専門です。長年の独創的な研究によって新たに創出した学問分野で、東北大学が世界をリードしています。自らスキューバ潜水により海中林が崩壊する磯焼けの機構解明と海中造林に精力的に取り組み、多くの成果を挙げ、水産業・地域の発展に大きく貢献しています。1998年には「海藻群落の形成に関する生態生化学的研究」で日本水産学会進歩賞を受賞されています。