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2010年8月20日 第62回サイエンスカフェ

形を覚える不思議な金属 ~形状記憶合金の世界~

当日の様子

 形状記憶合金をご存知ですか?予めまっすぐに覚えさせた針金を手で曲げた後お湯に入れると、それ自身が元の形に動いて戻る不思議な金属です。この生き物の様な現象"形状記憶効果"は、今までに多くの合金で報告されていますが、その中で唯一実用的に利用されているのはニッケル・チタン合金です。従来から感温アクチュエータや歯列矯正ワイヤーなどとして利用されてきましたが、近年ではカテーテル治療用ガイドワイヤーやステント等の医療用材料として脚光を浴びています。
 講演では、形状記憶効果のメカニズムをわかりやすく解説すると共に、強磁性や高成形性を持つ最先端の形状記憶合金を紹介します。

開催情報

開催日 : 2010年8月20日(金)18:00~19:45
会場 : せんだいメディアテーク

貝沼 亮介(かいぬま りょうすけ) 東北大学大学院工学研究科 教授


貝沼教授は、金属材料学が専門で、最近では主に形状記憶材料、スピントロニクス材料、耐熱材料など幅広い研究分野で成果を挙げています。特に形状記憶材料の研究では、2006年に英国の科学雑誌ネイチャーに第一著者として論文を発表するなど世界的な活躍をしており、2009年には日本金属学会・増本量賞、新技術開発財団・市村学術賞貢献賞を受賞しています。最近、自ら開発した銅系形状記憶合金を利用したクリップ型巻き爪矯正デバイスを考案し、素材メーカーへの技術移転(本年度、販売開始予定)を行うなど、実用化研究にも熱心に取り組んでいます。


当日の様子

QANDA

熱でまた形を変えられるそうだが、自宅のオーブンは限度があるので無理なのか。
 会場でお配りしたTiNi(ニチノール)合金は、400℃程度に加熱すれば新しい形状に記憶できます。オーブンでも原理的には可能だと思いますが、火災や火傷の危険が伴うのでご家庭での実験はお薦めいたしません。


暑い日に熱を感知して植物に自動的に水をやってくれる安価な装置があったらよい。
 たとえば駆動温度を30℃以上に調整した合金を使えば、シャワーの自動温度調整弁と同じ原理で駆動装置を作ることは可能だと思います。上手に作れば安く出来るかも。でも、どれくらい売れるかは???


手錠に応用したら面白いと思った。鍵を開けることができず、液体窒素などの低温でなければ外れないから。
 たしかに面白い応用ですね。ただ、液体窒素で冷やす時には凍傷に注意。


形状記憶合金を万力等で固定し、その状態で加熱すると、合金自身が能動的に発熱・吸熱をすることはあるのか。
 形状記憶合金で生じるマルテンサイト変態では、加熱・冷却時にそれぞれ吸熱・発熱を生じます。万力で固定すると母相への逆変態が阻害され変態温度が上昇します。しかし、さらに温度を上げると一部の結晶格子が破壊(すべり欠陥が導入)され最終的には逆変態が生じて吸熱反応がおこるはずです。


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