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2012年2月24日 第77回サイエンスカフェ

コンピュータで生命の理解を目指すバイオインフォマティクス~ゲノム『情報』がいかに生物の『実体』を形作るか~

当日の様子

皆さんの設計図であるゲノムは約30億の文字で書かれています。その中には遺伝子と呼ばれる部分があり、多くはタンパク質の配列へと翻訳されます。ゲノムからタンパク質までを順に追いながらヒトゲノム配列を読み解いていきたいと思います。

開催情報

開催日 : 2012年2月24日(金)18:00~19:45
会場 : せんだいメディアテーク

木下 賢吾(きのした けんご) 東北大学大学院情報科学研究科 教授


大阪府茨木高校出身。1999年京都大学大学院理学研究科終了(博士(理学))。大阪大学蛋白質研究所、横浜市立大学、東京大学医科学研究所を経て、2009年より東北大学大学情報科学研究科教授。2010年11月より東北大学加齢研教授を兼務。専門は生物を計算機で理解する事を目指すバイオインフォマティクス。枚挙の学問である生物学に情報科学あるいは物理化学的視点で一般的なルールや原理を見いだしたいと思っている。


当日の様子

QANDA

生物の発生もシミュレートできるのか?
条件を設定できて、発生過程のモデルがあれば原理的に可能だと思いますが、未知の条件が多すぎるのとどのようなモデルに従って何を見るかも考える必要があるので、すぐには難しいと思います。


ゲノムが同じ人(双子?)でも違いが出てくるのはなぜか?
人の個性はゲノムと環境要因の複合で決まります。そのため、双子でも多くの点で違いがでます。あと、少しアドバンスな話題ですが、ゲノム以外の重要なファクターとしてエピゲノムという概念があります。気になる人は各自で調べてみて下さい。


ゲノムはどのようにして読み解いたのか?
ゲノムDNAの配列決定は時間とコストのかかる大変な作業です。しかし、1975年にサンガー(F. Sanger)が酵素反応を巧みに利用した高速配列解析法を考案して以来長足の進歩をとげ、1977年にはバクテリオファージphi X174という大腸菌に感染するウイルスのゲノム配列がサンガーらによって解析されました。その後も解析技術の進歩はすさまじく、1990年に開始されたヒトゲノムプロジェクトは13年の歳月をかけ、2003年にゲノム配列が報告され、2007年にはワトソンのゲノムがたった2ヶ月のうちに決定される状態となり、2011年には1000人ゲノムプロジェクトと呼ばれるプロジェクトが進行し、25の人種から2500人を選んでそのゲノム解析を行う国際プロジェクトも進行しています。このプロジェクトの第1段階の結果は2010年に報告され、8兆文字、データ量にして約50TB のデータが創出されました。これら長足の進歩は、次世代シークエンサと呼ばれる新しい配列解析手法によるところが大きいです。


ゲノムは進化する(?)ということは、親より子は(ある意味で?)進化したヒトということなのか?
「進化」というと「良くなる」というイメージが強いと思いますが、「変化する」という部分が本質的です。その変化が環境に適合していて子孫を残すのに有利であれば固定して子孫に引き継がれていきます。その意味では、親と子は違うとは言えますが、進化したヒトというのはあまり適切な言い方だとは思えません。


将来的に遺伝子情報などを悪用されたり、書き換える技術ができることはあるのか?
どれぐらい将来を想定するかにもよりますが、技術的には可能になるかもしれません。特に遺伝子組み換え植物は、ある種の遺伝子情報を書き換えた物だと考える事もできるので、その意味では既に可能になっているとも言えると思います。
しかし、技術的に可能だからと言ってすぐにヒトを含む動物でどこまでその技術を応用するのかは倫理的な問題を多く含んでおり慎重に議論されるべきだと思います。その一方で、過度に悪用を恐れて技術開発を止めてしまうことも良い事だとは思いません。これからの科学技術の多くは多かれ少なかれヒトを対象とすることが出てきますので、我々科学者も含めて、サイエンスカフェのような取り組みを通じて広く議論して、より多くの人が納得できる基準を作っていくことが重要だと思っています。


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