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マウス脳内で神経核選択的にノルアドレナリン作動性ニューロンを 破壊する手法の開発:青斑核のノルアドレナリン枯渇は不安様行動やうつ様行動 を増加させる

 ノルアドレナリンは睡眠・覚醒、意識、ストレス・情動応答、認知・記憶など多彩な脳内生理機能に関与する神経伝達物質です。脳内にはノルアドレナリンを合成する複数の神経核がありますが、それらの中で最も大きいのが青斑核です。パーキンソン病は黒質のドパミン作動性ニューロン変性による運動障害を主症状とする疾患ですが、青斑核にも変性・脱落が強く認められます。東北大学情報科学研究科および医学系研究科の井樋慶一教授と福島県立医大の小林和人教授のグループは、マウスを用い青斑核ノルアドレナリン作動性ニューロンを選択的に破壊する手法を開発し、このマウスで不安様行動やうつ様行動が増加することを明らかにしました。これらの成果は4月20日付けで米国の専門誌、神経科学誌(Journal of Neuroscience)に報告されました。パーキンソン病患者に高頻度で認められる不安やうつ症状と青斑核変性との関連性を示唆する臨床報告がありますが本研究はそれを裏付けるものです。 

 

問い合わせ先:

情報科学研究科  教授  井樋 慶一       

itoik※m.tohoku.ac.jp           

※印は@にしてください。       

022-795-4741 (Fax. 022-795-4765)

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