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超高密度ハードディスク用巨大磁気抵抗素子の開発に成功-1平方インチ当たり5テラビット容量の次世代ハードディスクに適用可能な技術-

 この度、東北大学大学院工学研究科(工学研究科長:内山勝)の大兼幹彦准教授、安藤康夫教授らのグループは、1平方インチあたりの記録密度が5テラビットクラスの、超高密度ハードディスク (HDD) の情報読み出し用ヘッドとして期待が大きい、面直通電型巨大磁気抵抗素子 (以降CPP-GMR素子) の飛躍的な性能向上に成功しました。

 現在、高性能ハードディスクの信号読み取りヘッドとして用いられている、強磁性トンネル接合素子の基本構造は、磁石の性質を持つ薄膜(強磁性膜)2枚で非常に薄い絶縁膜を挟んだ構造をしています。しかしながら、この素子構成では、信号出力は大きい反面、磁気ヘッドの高速データ転送に必要な低抵抗素子を実現することが原理的に困難でした。一方で、次世代のハードディスク磁気ヘッドとして期待が大きいCPP-GMR素子は、強磁性膜2枚で薄い非磁性金属を挟んだ構造をしています。従来のCPP-GMR素子は、オール金属で構成することで、低抵抗素子を実現可能な反面、磁気抵抗比が小さいことが大きな課題でした。今回、上記グループは、CPP-GMR素子の強磁性膜に、ハーフメタルホイスラー合金を用いることで、1平方インチ当たり5テラビットクラスの記録密度を有する、超高密度ハードディスクヘッドに適用可能な素子を世界で初めて開発することに成功しました。

 現在、情報家電や携帯機器などへの大容量情報記憶へのニーズは益々増していますが、開発したハーフメタルCPP-GMR素子は、その要求を満たす超高密度ハードディスクの実現に、大きく寄与するものと期待されます。 本研究の一部は、総務省SCOPE「数Tbit/inch2磁気記録密度実現のためのオールホイスラー合金磁気抵抗素子の開発」、および、(米)Western Digital Corporationの支援を受けて実施されたものです。また、本研究成果は、名古屋で開催される国際会議「2011SSDM」に於いて注目論文として発表予定です。(発表日9月30日)

 

 

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【お問い合わせ先】

東北大学大学院工学研究科 応用物理学専攻

准教授 大兼 幹彦(電話:022-795-7949)

東北大学大学院工学研究科 応用物理学専攻教授 

安藤 康夫 (電話:022-795-7946)

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