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セラミックスの極微量不純物の可視化に成功-不純物が形成する界面超構造の発見-東北大・東大・ファインセラミックスセンターの共同研究

 東北大学原子分子材料科学高等研究機構の幾原雄一教授(東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構教授、財団法人ファインセラミックスセンターナノ構造研究所主管研究員 兼任)と東北大学原子分子材料科学高等研究機構の王中長(ワン チョンチャン)助教らの研究グループは、「超高分解能走査透過電子顕微鏡注1)とスーパーコンピューター計算注2)を駆使して、セラミックス(酸化マグネシウム) 注3)の結晶界面において、ごく微量の不純物が集まって原子レベルで全く新しい超構造注4)を形成することを、世界に先駆けて発見しました。すなわち、結晶内の不純物が結晶界面に集積して規則配列した三次元構造(超構造) を形成することを発見しました。ごく微量 (ppm(百万分の一)オーダー)であっても、不純物によってセラミックスの特性は大きく変化し、製品の特性のばらつきが多くなるため、その応用や用途拡大を困難にしていました。今回の成果は、ごく微量の不純物であっても、それらが界面に集積し、界面における原子構造を全く変えてしまうことが、製品の特性のばらつきの原因であることを突き止めたものです。すなわち、今まで目に見えなかったごく微量不純物の位置を可視化し、かつその不純物が特性に及ぼす役割を明らかにした結果だといえます。今後、本成果を起点にして、不純物制御によるセラミックスの高性能化や高信頼化が一挙に進み、製品の特性ばらつきの克服に大きく寄与するとともに、不純物を逆に利用した超構造制御の新機能材料の研究開発につながると期待されます。

 本成果は、2011年11月16日(英国時間)に英国科学誌「Nature(ネイチャー)」オンライン版で公開されます。なお、本研究は、文部科学省研究費補助金の特定領域研究プログラム「機能元素のナノ材料科学」(領域代表:幾原雄一)の一環として実施されました。

 

 

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【問い合わせ先】

東京大学大学院工学系研究科総合研究機構 教授

東北大学原子分子材料科学高等研究機構 教授

幾原 雄一 (イクハラ ユウイチ)

〒113-8656 東京都文京区弥生2-11-16

TEL:03-5841-7688 

E-mail:ikuhara*sigma.t.u-tokyo.ac.jp(*を@に置き換える)

 

東北大学原子分子材料科学高等研究機構 助教 

王 中長 (ワン チョンチャン)

または、講師 着本 享(ツキモト ススム)

〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1

TEL: 022-217-5934

E-mail:zcwang*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換える)

E-mail:tsukimoto*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換える)

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