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金属材料研究所の折茂慎一教授が科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を受賞しました

 このたび、平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、折茂慎 一教授(金属材料研究所水素機能材料工学研究部門)が「科学技術賞(研究部 門)」を受賞しました。

 

業績名:錯体水素化物の合成とエネルギー関連機能に関する研究 

業績内容:

 水素密度が高い錯体水素化物は、窒素や硼素などの軽量非金属元素か ら形成されるため、従来は金属工学的なプロセスでの合成が困難であり、またエネルギー関連機能の観点での材料設計指針も未解明であった。

 本研究では、精密な元素置換やバルク化などの金属工学的な合成プロセスの確立により、錯体水素化物を水素貯蔵材料として機能化するための材料設計指針の解明に成功した。水素貯蔵に加えて、イオン伝導やマイクロ波吸収、中性子遮蔽など、錯体水素化物の多様なエネルギー関連機能にかかわる新たな研究領域を次々と切り拓き、産業界とも連携した独創的な研究アプローチにより材料科学分野での日本発の研究成果を強力に発信した。

 本研究により、錯体水素化物を1ステップで簡便に、高純度かつ多量に合成することが可能となり、燃料電池の普及要因として重要な高密度水素貯蔵材料の開発に向けた道筋がつけられた。さらに、蓄電デバイス用の新たなリチウム高速イオン伝導材料の発見につながった。

 本成果は、燃料電池・電気自動車をはじめとする環境対応車の社会普及や太陽電池との融合が期待される次世代蓄電・送電システムの技術革新などに寄与することが期待される。

 

 

主要特許:特許第4517282号 「マグネシウム系水素貯蔵材料の製造方法」

主要論文:「Complex hydrides for hydrogen storage」Chemical Reviews誌、 p4111~4132、2007年10月発表

 

 

文部科学省ホームページ

 

 

[お問い合わせ]

金属材料研究所 情報企画室

電話:022-215-2144

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