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磁気ノズル無電極プラズマ推進機における運動量の損失メカニズムを発見-次世代の無電極電気推進機開発へ前進-

 東北大学大学院工学研究科電気エネルギーシステム専攻の高橋和貴准教授と安藤晃教授らの研究グループは、宇宙空間における次世代の推進エンジンとして期待される無電極ヘリコンプラズマスラスターの性能低下を引き起こす運動量の損失メカニズムを実験的に発見しました。
 当該研究グループでは、ヘリコンプラズマスラスターを構成する壁面及び磁気ノズルに加わる長手方向の力(推力はその反作用)を独立に計測する手法を実現し、推進機を大出力化した際に、半径方向内壁への軸方向運動量の損失が顕著になり推進性能が低下することを発見しました。またこの現象が、スラスター内部の中性粒子とプラズマ荷電粒子の相互作用によって生じる電場と付随するイオン加速に起因することも示唆されました。今後、より詳細な中性粒子と荷電粒子の相互作用、そして磁気ノズルとプラズマの相互作用の理解を進め、それらの積極的制御を実現することで、次世代の大出力無電極ヘリコンプラズマスラスターが実現されると期待されます。

 本研究成果は、2015年5月12日(米国時間)に発行される科学誌 『Physical Review Letters(American Physical Society)』のオンライン版に掲載されました。

計測したプラズマ圧力分布とz方向運動量損失過程

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問い合わせ先

<研究内容>
高橋和貴(タカハシカズノリ) 准教授
東北大学 大学院工学研究科 電気情報物理工学科 電気エネルギーシステム専攻
TEL: 022-795-7064
Email: kazunori*ecei.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

安藤晃 (アンドウアキラ) 教授
東北大学 大学院工学研究科 電気情報物理工学科 電気エネルギーシステム専攻
TEL: 022-795-7062
Email: akira*ecei.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<広報担当>
東北大学 大学院工学研究科 情報広報室
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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