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伊藤貞嘉理事・医学系研究科教授が日本人で初めてアメリカ高血圧学会の最高の栄誉賞であるDistinguished Scientist Award(Robert Tigerstedt Award)を受賞

この度、東北大学大学院医学系研究科腎高血圧内分泌学分野・東北大学理事の伊藤貞嘉教授がアメリカ高血圧学会の最高栄誉賞であるDistinguished Scientist Award(Robert Tigerstedt Award)を受賞しました。受賞講演はニューヨークで行われた学術総会のAward Session(5月18日)に行われました。

アメリカ高血圧学会は世界の高血圧に関わる医療関係者ならびに研究者で構成されるアメリカ最大規模の学会です。Distinguished Scientist Awardは高血圧分野における優れた研究業績をあげ、高血圧の研究と臨床に大きなインパクトを与えた研究者を毎年1名顕彰するものです。受賞者の研究領域により過去の偉大な研究者の名前を冠して表彰されることになっており、伊藤教授はRobert Tigerstedtの名を冠した賞となりました。Tigerstedt博士(1853-1923)は1898年にスエーデンのカロリンスカ研究所で血圧を調節するレニンを発見した医学生理学者です。この発見に続く、レニン・アンジオテンシン系の研究は現在まで100年以上も継続し、優れた降圧薬や、脳・心・腎を保護する薬剤の開発に繋がっています。

伊藤貞嘉教授は生体の食塩センサーが腎尿細管の特殊な細胞群である緻密斑であり、食塩摂取量を感知してレニン分泌と糸球体血行動態を調節することを世界に先駆けて証明し、現在の腎血行動態の機序の理解の基本を確立しました。また、世界規模のレニン・アンジオテンシン系に関わる大規模臨床試験にも尽力しました。さらに、脳と腎における微小血管の解剖および機能的相同性に着目し、なぜアルブミン尿が出ると脳・心血管障害が増えるのか、いわゆる、「脳・心・腎連関メカニズム」の機序を明らかにしました。さらに、内分泌性高血圧、特に、原発性アルドステロン症に関して世界的業績をあげています。

今回の受賞はこのような伊藤貞嘉教授の長年に渡る基礎から臨床にわたる一貫した優れた研究の成果が評価されたもので、過去の受賞者にはいずれも世界の著名な研究者が名前を連ねています。伊藤教授の今回の受賞は日本人で初めての受賞となりました。

伊藤貞嘉教授は2013年日本内分泌学会学術総会長、2014年日本内科学会会頭を務めるなどリーダーシップを発揮するとともに、2016年日本高血圧学会や2017年日本腎臓学会学術総会も総会長を務める予定となっており、国内の高血圧、腎臓および内分泌関連の学会で主導的な役割をしています。国際的にも国際腎臓学会理事など多くの役割を担い、活躍しています。

伊藤貞嘉理事・医学系研究科教授(中央)

問い合わせ先

東北大学大学院医学系研究科
内科病態学講座腎・高血圧・内分泌学分野
伊藤 貞嘉
TEL: 022-717-7163(医局・無量井)
E-mail: ishisho*med.tohoku.ac.jp(無量井)
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