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天の川銀河形成の名残を捉えることに成功 〜年老いた星の元素組成から矮小銀河合体の痕跡を発見〜

中国国家天文台、国立天文台、兵庫県立大学、東北大学などの研究者からなる国際研究チームは、すばる望遠鏡を用いた観測により、天の川銀河の誕生と成長の過程で合体してきた矮小銀河(大変小さく暗い銀河)の痕跡といえる星の発見に成功しました。新しく見つかった星はマグネシウムや重元素の組成が異常に高く、これほど特徴的な元素組成を持つ恒星が天の川銀河で見つかったのは初めてです (図1)。

本研究成果は、2019年4月29日発行の英国の科学専⾨誌『Nature Astronomy』オンライン版に掲載されました。

図1:新しく見つかった星「J1124+4535」の元素組成(赤丸)。上からマグネシウム/鉄組成比、ユーロピウム/鉄組成比、ユーロピウム/マグネシウム組成比を、金属量(鉄組成)に対してプロットしている。J1124+4525のマグネシウム/鉄比(上パネル)は、天の川銀河の星(灰色点)とは大きく異なるいっぽうで、矮小銀河の星(赤色星)と似た傾向を示すことがわかる。ユーロピウム/鉄比(中央パネル)が高い特徴は、天の川銀河では金属量の非常に低い星の間でしかみられていなかった(青丸)。このことからも、J1124+4535が天の川銀河とは全く異なる環境で生まれた可能性を示している。
Copyright(著作権): Wako Aoki

問い合わせ先

東北大学大学院理学研究科
天文学専攻
学術研究員 石垣 美歩(いしがき みほ)
TEL:022-795-6512
E-mail:miho*astr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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