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難治性高血圧症の新治療法が保険適用に −高血圧の原因ホルモンを手術なしで直接断つ −

【本学研究者情報】

〇病院 放射線診断科 教授 高瀬圭
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 原発性アルドステロン症は、薬の効きにくい難治性高血圧で、働き盛りの年代に起こり易く、脳出血や心筋梗塞を合併する可能性が高い。
  • 従来は、ホルモン過剰分泌の原因となる副腎の良性腫瘍を腹腔鏡手術で摘出することが唯一の根治療法であった。
  • 今回、電流を流す細い針(ラジオ波焼灼針)を背中から刺して、副腎腫瘍を焼くことで、手術をせずに根治する新しい治療法が初めて保険適用される運びとなった。

【概要】

「原発性アルドステロン症」は、国内に400万人程度存在すると推定される頻度の高い難治性の高血圧症で、全高血圧症の10%程度を占めており、脳出血や心筋梗塞を高い割合で合併します。原因は、腎臓の上にある「副腎」に生じる小さな良性腫瘍から、血圧を上昇させる「アルドステロン」というホルモンが過剰に分泌されることです。これまでは、腹腔鏡手術によって副腎腫瘍を摘出するしか根治的治療法がありませんでした。

東北大学病院放射線診断科の高瀬圭教授は、この原発性アルドステロン症に対し、背中から細い針を刺して、高周波電流で原因部位を焼き切る治療法を基礎研究の段階から開発してきました。医師主導治験にて高い成功率を達成し、原発性アルドステロン症による高血圧の新しい治療法として、2020年1月に薬事承認され、今年6月に初めて保険適用となりました。第1例目の治療を東北大学病院で8月30日に実施する予定です。

本治療法は、東日本大震災復興プロジェクトによる、東北大学での10年の研究と医師主導治験の成果です。

図1:1、2本の針を背中側から穿刺し先端から電流を流し副腎腺腫を焼灼する。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学病院 放射線診断科
教授 高瀬 圭
電話番号:022-717-7312
Eメール:ktakase*rad.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学病院広報室
電話番号:022-717-8032
FAX番号:022-717-8931
Eメール:press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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