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日焼けで隠された水に富む小惑星リュウグウの素顔

【本学研究者情報】

大学院理学研究科 地学専攻
教授 中村智樹(なかむらともき)
研究室ウェブサイト

〇大学院理学研究科 地学専攻
助教 松本恵(まつもとめぐみ)
研究室ウェブサイト

【概要】

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「砂の物質分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、イギリスの科学誌「Nature Astronomy」に2022年12月20日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

小惑星探査機「はやぶさ2」により2020年12月6日に地球へ帰還したリュウグウ試料は、JAXA宇宙科学研究所に設置された施設において、初期記載(Phase-1キュレーション)が行われました。試料の一部が、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」と2つの「Phase-2キュレーション機関」へ分配されました。初期分析チームは「はやぶさ2」の科学目的達成のために専門サブチームが分担して、計画された高精度分析により、試料の多面的価値を明らかにします。Phase-2キュレーション機関はそれぞれの特徴である総合分析に基づき、個々の「はやぶさ2粒子」カタログを作成すると同時に、粒子の特性に応じた測定・分析により、「はやぶさ2粒子」がもつ潜在的価値を明らかにしていきます。

なお、初期分析の6つのチーム、Phase-2キュレーション機関からの報告は、論文としての成果が公表されるタイミングで、個別にお知らせしてまいります。 また、全ての初期成果が公表されたのち、あらためて「はやぶさ2」サイエンス全体の総括をご説明する予定です。

図1 小惑星リュウグウの宇宙風化組織 点線より右側は太陽風照射による宇宙風化(Smooth layer)を受けた部分、点線より左側は、メテオロイド衝突による宇宙風化(Frothy layer)を受けた部分です。 Frothy layerは表面数ミクロンが融けて泡立っています。Frothy layerには、後に近くから飛来し付着した岩石の溶融物が薄く張り付いています(Melt splash)。このように、リュウグウの複雑な歴史が読み取れます。走査電子顕微鏡で撮影した反射電子像です。© Noguchi et al. (2022)

詳細(プレスリリース本文)PDF

*「はやぶさ2初期分析チーム」の【石の物質分析チーム】は東北大学大学院理学研究科の中村智樹教授がチームリーダーを担当されています。
「はやぶさ2初期分析チーム」につきましては、既出のプレスリリースをご覧ください。

2021年5月13日付プレスリリース「『はやぶさ2』初期分析チーム2021年6月より試料の分析開始」外部サイトへ
2022年6月10日付プレスリリース「リュウグウはイヴナ型炭素質隕石でできている」外部サイトへ
2022年9月26日付プレスリリース「炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠」外部サイトへ
2022年10月21日付プレスリリース「小惑星リュウグウ試料の希ガスおよび窒素同位体組成―リュウグウ揮発性物質の起源と表層物質進化―外部サイトへ
2022年10月21日付プレスリリース「炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠」外部サイトへ

問い合わせ先

<研究内容について>

東北大学大学院理学研究科地学専攻
教授 中村 智樹(なかむら ともき)
電話: 022-795-6651
E-mail:tomoki.nakamura.a8*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

東北大学大学院理学研究科地学専攻
助教 松本 恵(まつもと めぐみ)
電話: 022-795-5789
E-mail:m_matsumoto*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道関係のお問い合わせ>
東北大学大学院理学研究科広報・アウトリーチ支援室
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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