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井上プラン2007〔2009年度改訂版〕

3 社会貢献

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「世界と地域に開かれた大学」として、東北大学の人的・知的資源を広く社会に還元して、人類社会全体の発展に貢献する。

社会貢献概念図

3-(1) 世界最高水準の大学としての基本的貢献

A 世界で活躍できる人材の輩出

〔背景〕

東北大学の最も大きい社会貢献は、地域から世界レベルにおいて様々な分野で高い能力を発揮し、人類の生存、生活に貢献できる人材を輩出することである。特に本学は建学の理念として「研究第一」、「門戸開放」、「実学尊重」を掲げ、国の礎、世界の要としての役割を果たす人材の育成を行っている。

〔プラン〕

①国際的視点から思考できる人材を輩出するために、教養教育の改善、大学院教育の深化、異分野融合研究教育の創造などの教育戦略を実行する。②世界各地で地球社会をつくり育てることができる人材を輩出するために、世界各国から留学生を迎え入れる取組を強化し、グローバルな視点での東北大学の新たな教育を実践する。

3-(2) 地域社会との連携強化

A 地域政策・国家政策への貢献

〔背景〕

大学はその立地する地域においても様々な社会的貢献を求められる。本学でも地域との関係は深く、これまでにも多くの教職員が国や地方自治体の政策に関する審議会等に参画し、貢献してきた。今後とも、大学としての学問研究の自由を確保した上で、国、地方自治体等社会との教育研究活動に関する連携を強化して、共に発展していくことが重要である。

〔プラン〕

①これまでの貢献を継続するとともに、教職員の審議会等への積極的参画を推進し、新たな地域政策や国家政策の策定等にも積極的に貢献する。②宮城県沖地震の発生前、発生後の対策を専門家集団として地域と連携して行う。③地域社会の目線でニーズ(医療、知識・スキル等)を汲み上げ、地域社会との連携を強化するための仕組みの整備を行い、地域産業に役立つ人材育成についても積極的に貢献する。

B 地域教育・文化への貢献

〔背景〕

東北大学は以前より地域住民に対して研究成果や教育成果の発信を行ってきている。また、近年はサイエンスカフェやサイエンス・エンジェル等の活動を地域で展開するとともに、各種公開セミナーを仙台ばかりではなく日本各地で開催している。本学の知による社会貢献活動への評価は高い。

〔プラン〕

①これまでの公開講座等の活動を継続するとともに、社会の要望を取り入れた企画を実施する。たとえば市民の知的好奇心にこたえる人文・社会科学の研究成果のサイエンスカフェにおける積極的発信、あるいは各種地域雑誌などへの寄稿が考えられる。②国立、県立、市町村立博物館などとの連携を推進する。③本学の附属図書館、植物園、博物館、史料館などの公開施設の整備及び企画展示等による公開促進を図る。また、東北大学百周年記念会館の利用促進を図る。④中学生、高校生を対象とした科学実験や体験学習を開催する。

C 東北地方における高等教育研究機関のコンソーシアム化

〔背景〕

現在仙台地区において、相互発展機会の創造、知的資源の集積を目指した「学都仙台コンソーシアム」が高等教育機関等によって結成されている。東北大学は東北地方全体の大学、高等教育研究機関、地方自治体との関係が深く、より一層の地域貢献を互恵的に推進するためにも、連携した組織の整備・活用が求められる。

〔プラン〕

①国公私立大学等との積極的連携を図り、東北地方全体の大学、高等教育研究機関とともに、地域コンソーシアムの設置等による交流促進を行う。教員免許更新制による免許状更新講習への対応を図る。②eラーニング等の遠隔地教育方法を取り入れた単位互換制度、社会人リカレント教育制度について検討する。③サイエンスパーク構想と関連して大学間共同研究の推進を図る。

3-(3) 産学の連携強化

A 産学連携研究の推進

〔背景〕

実学尊重の伝統を持つ本学は、応用を視野に入れた企業との共同研究で様々な成果を上げ世界に発信してきた。今後もこの伝統を生かし、実用に結び付く研究の展開が望まれる。

〔プラン〕

①国際的視点に基づき研究シーズを整理し、企業的ニーズとマッチングさせた共同研究を推進する。②地域的視点に基づき積極的に共同研究のシーズと社会的ニーズを発掘するために、中小企業との新ラウンドテーブルを設ける。③サイエンスパークを整備し、応用研究によるベンチャーの育成を図る。④産学連携推進本部の十全な機能発揮を図る。⑤企業等との共同研究等を促進する新たな仕組みを検討し、産学連携の展開を図る。

B サイエンスパーク構想の実現に向けた取組

〔背景〕

本学は歴史的にも多くの業績を社会へ還元し、貢献を行ってきた。基礎研究から応用研究へ、そして実用へのプロセスをスムーズに実現させる組織として産学連携推進本部を設置しているが、さらに、研究者・研究機関が一堂に会し、「知」の融合と「機能」の融合により新たな「ミッション」が創造できる「場」の設置が期待されている。

〔プラン〕

①東北大学青葉山新キャンパスの中に前記の機能を持つサイエンスパークを設置するための常置委員会を設ける。②東北大学と組織的連携協定を締結した企業との新ラウンドテーブルを構築する。③サイエンスパークにおいて共同研究開発ができる企業、法人などを誘致し、共同研究の成立を通じた産学間の人的交流活性化の仕組みを構築する。

C ベンチャー起業の育成

〔背景〕

東北地方には中小企業が多く、それぞれ東北地方独特のベンチャー起業を志向している。しかし、高度な研究開発、知的能力の啓発などの困難さゆえに、貴重な研究シーズが埋もれていく可能性がある。本学の知の提供により、世界的革新技術の創成を行うチャンスの発掘が期待される。

〔プラン〕

①知的財産権を明確化しつつ、ベンチャー的発想の実現に向けた共同研究を推進する。②本学を中心としたベンチャー企業共同体を形成し、サイエンスパークにベンチャー部門の設置を検討する。③ベンチャー起業の認知度の向上策、教員のベンチャー起業の奨励策などベンチャー起業の推進策を検討する。

3-(4) 研究・教育成果の積極的発信

A 研究者に向けた研究・教育成果の発信

〔背景〕

国際水準の大学では、その大学内で行われた研究や教育の成果をアーカイブ化し、学術情報コンテンツとして公開している。本学も東北大学機関リポジトリ(TOUR)の整備・充実を進めている。

〔プラン〕

①東北大学機関リポジトリ(TOUR)の整備・充実を図る。②大学情報データベースと東北大学機関リポジトリ(TOUR)との連携を図り、本学の研究教育成果を発信する。

B 一般市民に向けた研究・教育成果の発信

〔背景〕

本学の研究・教育成果が一般市民など多くの人に知られ、理解されることは本学の責任であり、社会貢献となる。特に、ステークホルダーへの説明責任を果たすとともに、東北大学のアクティビティを示すことは、「世界と地域に開かれた大学」として重要な活動である。

〔プラン〕

①新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等のメディアと連携を深める。また、地域のNPO等で発行している雑誌への寄稿を推進する。②研究成果を大学のホームページでわかりやすく発信するコーナーを作成する。③一般市民の知的好奇心に応じた文理両系の基礎研究成果をサイエンスカフェ等で発信するとともに、サイエンスカフェを全国展開する。東北大学校友会、教育委員会等との協力・連携の下でディスティングイッシュトプロフェッサー等による移動講座を開催する。④本学の研究・教育成果に関する大学情報データベースの整備・充実を図る。

C 国際的戦略広報の確立

〔背景〕

東北大学には世界トップレベルの研究分野が多数ある。東北大学の国際的評価を更に高めていくには、研究水準の維持・向上とともに、その情報を世界に向けて発信し、国際的知名度を高め、プレゼンス(存在感)の向上を図っていく努力が必要である。

〔プラン〕

①国際的発信力を強化するため、英文によるホームページの充実を図るとともに、多言語化を検討する。②国際公募等により、国内外の優秀な若手研究者を積極的に登用する。③ディスティングイッシュトプロフェッサー制度及びユニバーシティプロフェッサー制度を活用する。④学術交流協定校との連携を強化する。⑤国際学術研究集会等の開催を促進する。世界トップクラスの大学によるグローバル・サミット(仮称)を定期的に開催する。⑥国際的メディアによる広報活動を企画推進する。⑦東北大学インターネットスクール(ISTU)の整備等による学術交流協定校への成果発信を行う。

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