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東日本大震災から9年が経ちました。改めて、震災により犠牲となられた多くの方々とそのご家族にお悔やみを申し上げます。

東北大学はこれまで、震災復興に向けてさまざまな取組みを行い、社会に発信してきました。今年も、東北大学災害復興新生研究機構シンポジウム「~震災を超えて~未来の医療に向けた個別化医療に挑む」を3月10日に開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、開催延期を決定せざるを得ませんでした。

震災復興に向けて本学が進めてきた主な取り組みは多岐にわたります。文理融合的に新たな学術領域を打ち立てつつある災害科学国際研究所は、2015年に第3回国連防災世界会議を支援し、ここからSDGsとパリ協定とともに世界三大アジェンダの「仙台防災枠組2015-2030」が発出されました。医療分野では、「東北メディカル・メガバンク事業」を進め、住民の皆さまを対象とした15万人規模の複合バイオバンクを構築しました。これにより一人一人にあった個別化予防、個別化医療の創生が進んでいます。この他にも、100を超えるプロジェクトを地域社会のために展開して参りました。

新型コロナウィルス感染症対策のために、令和元年度の学位記授与式は大幅に規模を縮小し、令和2年度の入学式は中止を決定しましたが、今年もあと数週間で仙台に桜前線が到着し、本学も春からの新入生を迎えます。新たな構成員となる学生諸君とも手を携えて、震災復興と日本の新生をめざし、これからも地域のため、世界のために託された役割を果たしていきます。

令和2年3月11日


東北大学総長

大野 英男

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