学生の不正、犯罪行為に対する教育的指導(懲戒処分)を実施する全学的体制が整備されました

不正や犯罪行為などの非違行為を行った学生に対しては、適時・適切・適度な教育的措置を実施することによって、当該学生の人間的な成長や社会の一員としての自覚を促さなければなりません。加えて、大学の自治と教育・研究の自由を確保し、教育・研究機関としての社会的責任を果たすためには、非違行為を行った学生への教育的措置は不可欠です。

本学では、本学の規則、命令に違反し、又は学生の本分に反する行為のあった者には、当該学生が所属する学部や研究科(部局)の教授会の議を経て一定の教育的措置を科すことが規則によって定められています。これまで本学では、カンニングのような事実関係が明白な非違行為については、当該部局が適切に対応してきました。しかし、当該部局以外における非違行為、事実関係の調査が必要な非違行為、新たに教育的措置の内容を検討しなければならない非違行為を行った学生に対して、教育的指導を適時・適切・適度に講じることが難しいこともありました。このため、教育的指導を全学共通の基準で実施する組織的な体制の整備が求められてきました。

そこで、本学では、適時・適切・適度な教育的措置を実施するための体制整備の一環として、平成17年4月1日に開催された教育研究評議会において、「学生の懲戒等に関する取扱い指針」等を制定しました。さらに、同評議会では、全学的な事実調査及び統一的な視点での処分案の審議を行う機関として、新たに「学生懲戒委員会」を設置することとしました(別図)。懲戒の全学的基準が明確になり、「学生懲戒委員会」が設置されたことにより、今後、本学学生が非違行為を行った場合、当該学生に対して、迅速な手続きのもと、公平な懲戒処分が行われることとなります。

学生生活協議会は、新たに整備された全学的懲戒体制をお知らせするとともに、非違行為の種類及び当該行為に係る懲戒の標準例を以下の表に示すことによって、不正・犯罪行為等の発生を防ぎ、安全で安心なキャンパスを築く一助にしたいと考えています。

非違行為の種類

懲戒の種類

強盗、強姦などの凶悪な犯罪行為 退学
本学が実施する試験における不正行為 退学又は停学
コンピュータ又はネットワークの不正使用で悪質な場合 退学又は停学
薬物犯罪行為 退学又は停学
人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因行為が無免許運転、飲酒運転、暴走運転など悪質な場合 退学又は停学
本学が管理する建造物への不法侵入又はその不正使用若しくは占拠 退学停学又は戒告
本学構成員に対する暴力行為、威嚇、拘禁、拘束等 退学停学又は戒告
痴漢行為(のぞき見、盗撮行為などを含む。) 退学停学又は戒告
ストーカー行為 退学停学又は戒告
セクシュアル・ハラスメントに当たる行為 退学停学又は戒告
無免許運転、飲酒運転、暴走運転などの悪質な交通法規違反 退学停学又は戒告
本学の教育研究又は管理運営を著しく妨げる暴力的行為 退学停学又は戒告
万引き、他人を傷害するに至らない暴力行為などの犯罪行為 停学又は戒告
アルコール・ハラスメントに当たる行為 停学又は戒告
コンピュータ又はネットワークの不正使用 停学又は戒告
本学が管理する建造物又は器物の損壊、汚損、不法改築等 停学又は戒告
戒告
…非違行為を戒めて事後の反省を求め、将来にわたってそのようなことのないよう注意すること。
停学
…一定期間学生の履修を禁止すること。
退学
…本学における修学の権利を剥奪し、学籍関係を一方的に終了させること。

学生の教育的措置の流れ図

学生の教育的措置の流れ図