Column-No.02 |
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1978年6月12日に宮城県沖のプレート境界でM7.4の地震が発生し,仙台市を中心に各地で大きな被害を受けた.この宮城県沖地震から今年でもう26年が経過しようとしている. |
さらに周囲の非地震性すべりが進行し,アスペリティにかかる応力は増大する.やがて蓄積した応力がアスペリティの強度の限界にまで達し,アスペリティは急激にすべる.地震の発生である. 従って,プレート境界地震の予測精度を向上させるためには,アスペリティの周囲で非地震性のゆっくりすべりがどのように生じ,それがどう進展していくかを詳細に捕捉することが決定的に重要である. 地震・噴火予知研究観測センターでは,東京大学地震研究所等の他機関とも協力しながら,宮城県沖のアスペリティの周囲で生じるであろう非地震性すべりの時間発展の様子を捉えるべく研究を進めている. 非地震性のゆっくりすべりは通常の地震計では直接捉えることができない.GPS(汎地球測位システム)や孔井式歪計・傾斜計を用いた陸域における地殻変動観測の強化をはかり,非地震性すべりの検知能力を向上させた.震源直上での観測が可能となれば検知能力はさらに向上する.そこでGPSと超音波測距を組み合わせて用いる,海底での地殻変動観測手法の開発を行っている. また最近の研究によって,プレート境界面上には,小地震を繰り返し起こす小さなアスペリティが多数分布していることがわかってきた.これらの小さなアスペリティは周囲の非地震性すべりの量に応じて小地震としてすべることから,その発生数をカウントすることにより非地震性すべりの時間発展を追うことができる.あたかもプレート境界に埋め込んだ歪ゲージのような役割を果たしてくれるのである.このような繰り返し小地震を長期間にわたる地震波形記録から系統的に抽出し,非地震性すべりの時間発展を追うべく研究を進めている.そのため海底地震観測を含めた高感度地震観測の強化もはかっている.さらには,アスペリティの実体やアスペリティの相互作用を明らかにするために,地殻構造の調査を行ったり,室内実験や数値シミュレーションによる研究を進めている. 次の宮城県沖地震は今後十数年のうちに発生するであろう.その発生に至るまで,プレート境界で順次生じると予測される現象を,できるだけ詳細に捕捉しようと我々は努力しているところである. |