Column-No.03 |
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火星探査ロボットの映像を見てわくわくするのは目に見えない物、知らない事への興味である。我々が知る世界と知らない世界の境界が人類のフロンティアである。フロンティアは大航海時代、アメリカ西部開拓など時代と共に形を変えてきた。今日、宇宙は紛れもない人類のフロンティアの一つであるが、地下わずか10cmの様子を直接目で見ることができないという意味で、地中も未だにフロンティアであり続けている。我々が研究している地中レーダは電波を地上から地中に送り込み、反射してくる電波を地上で捉え地中を可視化することで地下フロンティアを拓く地下計測技術である。電子医療技術のめざましい発達は人間の脳活動をつぶさに可視化するまでに至り人間の体内というフロンティアを急速に狭めたが、そこには地中可視化と共通した多くの技術が使われている。 |
モンゴルは広大な草原と放牧、白く丸い移動式住居ゲルなど日本人が思い浮かべる通りの美しい国である。しかし都市人口の急増は豊かだった放牧生活の社会構造を変化させたため、多くの社会問題が発生した。水不足はその典型である。私たちは1996年より継続的に首都ウランバートルの地下水を地中レーダで測定し、季節変動の理解や生産量予想などを行ってきた。従来の方法より遙かに正確に水資源を予測した情報をウランバートル市水道局に提供することで将来的な水資源対策へ役立てている。 |