Column
あなたは、私より早く老化するかも? 山家教授
Column No.012 あなたは、私より早く老化するかも?

 仙台も、いろいろな大型店が郊外に出来てくるようになると、町の中心が移動したかのように感じます。昔は、ハンバーガーなどは、食べようと思っても、一番町か駅前くらいにしか店がなかったのに、郊外にもドライブスルーのファストフード店が目立つようになりました。息子に言わせると、「モスとマックじゃ格が違うよ・・・」とも言いますし、娘に聞けば、「フライドポテトはねえ・・店によって、味が、ぜんっぜん、違うの・・・」などと、いろいろ好みも有るようですが、共通している点も有ります。

 それは、圧倒的なカロリーと脂肪、糖分、コレステロールなどです。
 ファストフードのコレステロールと、心臓病の関係については、アメリカやヨーロッパでは、昔から指摘されてきました。先日、ファストフード好きで有名だったクリントン元大統領がバイパス手術を受けて、また話題になりました。

 個人的な話で恐縮ですが、私が医学部を卒業して、心臓病を専門とし、人工心臓の研究を志そうとした時に、町医者をしている父親に「心筋梗塞なんぞ・・・そんな、日本人がめったにならないような珍しい病気を専門にしてもしょうがないだろ・・・」と、諭されました。あの世代の医者に取っては、日本人と言うものは結核で死ぬものであって、心臓病で死ぬのはアメリカ人。という認識があったようです。

 ところが、町の風景が一変してファストフード店が目立つと同時に、日本人の病気も一変してしまいました。いまでは、日本人の三大死亡原因は、癌、心臓病、脳卒中となっています。心臓病と脳卒中は、動脈硬化が原因ですから、要するに、日本人は、癌でなければ心臓か血管の病気で死ぬと言うことです。病院でも心臓の患者様は増えるばかりで、こんなに心臓病が増えてはどうしようもない・・・と、感じていたら、うちに来ていたロシアの留学生が面白いことを教えてくれました。 それは、ロシアでは、もっともっと凄い勢いで心臓病が増えていて、人口の六割近くは心臓病で亡くなり、亡くなる方の数の方が、産まれる数よりも多くなってしまい、ついに人口まで減りはじめたと言うのです。
 いったい何が起こっているのでしょう? 

 たまたまうちで研究中だった動脈硬化検査装置を見て、貸してくれたらロシアに持って行って調べてみる。と、留学生が言うので、良いよ・・・と、言ったら、さっそく翌月、喜んで自分のリュックサックに動脈硬化検査装置を入れてロシアへ持って行き、データを持って帰って来てくれました。(後で聞いたら、税関で偉いことになったそうですが・・・当たり前ですよね。) 調べてみるとやはり、ロシア人は年を取るに従って、日本人よりはるかに早く動脈硬化が進んでいることが分かりました。もちろん寒さなどの環境も原因しますが、詳しく調べてみると、経済的な問題で、年金では高い薬を買えない。と言う問題も大きいようです。

 さて・・・これを読んでいる皆さん。
 遠い国の遠い出来事のように、ここまで笑って読んでこられた方もいらっしゃるかもしれませんが・・・近い将来、年金が破綻し、医療保険が破綻し、人口が高齢化し、国の財政も危機を迎えることがまちがいない国家が、先進国の中にもう一つあります。
 もちろん、我が日本です。
 あなたが年を取った時、あなたの年金では、高い薬などは、もう買えるはずもない時代に入っているのかもしれません。
 あなたのお子さんたちが大好きなファストフード。買ってあげる前に、ちょっとだけ振り返って、カロリーやコレステロールを考えてみましょうね。


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