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 認知研究を教育に活かす 邑本准教授

Staff Activity No.025 認知研究を教育に活かす  
 
2007/12/28

 「今日の授業、むずかしかったー」「途中で眠くなっちゃったよ」「そうか? オレは結構おもしろかったと思うけど……」。学生たちは授業に対して、実にいろいろな感想を持つようです。90分の授業で、果たして彼らはどれだけのことを学習できているのでしょうか。


 私は、人間が講義を聞いたりテキスト読んだりしたとき、学習すべき事柄をどのような認知プロセスで理解しているのかということについて研究しています。また、学習内容を後の異なる場面で応用できるようにするにはどうすればよいのかについても研究しています。このような研究テーマは、まさに教育に直接関係してくる問題です。ですから、自分の研究を含め、この研究領域での成果は、教育実践において活用できることが多くあると思っていますし、実際にそれらを積極的に取り入れて授業を展開しています。


 その一例を挙げましょう。学習内容を応用可能な知識として身につけるにはどうすればよいでしょうか。この問題に対して、私は人間を対象とした心理実験を行い、実験データから、応用可能な知識獲得のためには「複数の具体例を学び、それらを自分のことばでまとめること、そしてまとめただけで終わらせずに、さらにそれを別の具体例(とくに自分自身の身近な例)に当てはめてみることが大切である(図1)」ということを明らかにしました。こうした研究成果に基づき、私は授業の受講者には、レポート課題として、授業内容を自分の言葉でまとめ、自分自身の過去経験や身近な出来事に関連づけながら論じることを要求しています。そうすることで、授業で学んだ内容を、後で役に立つ、活きた知識にすることができると考えているからです。学生たちは毎回こうしたレポートを作成しなければならないことをとても負担に感じているようですが、反面、そのおかげで「理解が深まった」「授業内容がしっかり身についた」「自分の考えをもつことができた」という声が数多く返ってくることも事実です。

図1.応用可能な知識獲得のための理解過程


 学びの認知プロセスを研究し、それを自身の教育実践に活かす。こうしたことを常に意識しながら、今後も研究・教育の双方の発展に努力していきたいと考えています。

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