2019年10月25日 第169回サイエンスカフェ
人生会議してみませんか?~もしもの時のため、あなたが望む医療やケアについて考えてみませんか?~
講師:宮下 光令 東北大学大学院医学系研究科 教授
プロフィール
平成6年東京大学医学部保健学科を卒業後、国立がん研究センター東病院などで看護師として臨床を経験。東京大学成人看護学/ターミナルケア看護学分野にて助手・講師を経験後、平成21年10月より東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野教授。専門は緩和ケアの質の評価。
開催情報
開催日:2019年10月25日(金)18:00~19:45
会場 : せんだいメディアテーク
概要
「人生会議」とは、もしもの時のため、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療者と話し合い、共有する取組のことです。今日は、もしものための話し合い「もしばなゲーム」というゲームを通して、明るく楽しく、ちょっとだけ真面目に考えてみましょう。
Q&A
Q. 遺された人の後かいが一番避けたい。意思決定を家族や兄弟にさせてしまうと、重い決定を押しつけることになるので、あまりしたくない。医療の専門家にお願いできる仕組みはないものでしょうか。
A. まず考えられることはエンディングノートなどに決定を医療者にサポートして欲しい旨の希望を書いておくことだと思います。ご本人がそのような希望を持っていることをご家族やご兄弟が知れば、医師と協働で意思決定したとしても負担感は少ないでしょう。もちろん書かずとも口頭でお伝えしておいてもいいと思います。
また、ご本人の意思決定の希望(たとえば延命処置をするかどうかなど)や何を重視して欲しいかをリビングウィルとして書いておくことは、より負担感を減らすと思います。かかりつけ医とよく話あっておくことも大事でしょう。
意思決定ができなくなったときのために成年後見人制度というものがありますが、成年後見人は医療に関する意思決定はできません。そもため、医療代理人という米国の制度を日本にも導入するべきだという議論があります。現状ではかかりつけ医などが候補と考えられています。医療者の誰にというのが決まっていれば医療判断代理委任状を作成しておくという方法もあります。
現在、このような方法の整備が少しずつ進んでいます。最新の情報に関しては、病院にある相談室(がん相談室やなんでも相談室など)で、ソーシャルワーカーの方などにお尋ねするのがいいと思います。
当日の様子
関連リンク
- 教室(保健学専攻緩和ケア看護学分野)ウェブサイト
2019年4月にスタートしたDate fm(エフエム仙台)のラジオ番組です。番組ウェブページにて、「緩和ケアの誤解を正す」と題して宮下先生がゲスト出演した放送回の音声を聞くことができます。