学寮の電気料問題について
「裁判所への支払督促申立」と
「有朋寮・日就寮の入寮募集停止」
の手続が進んでいます


――― 学生協*の活動報告 ―――

 学寮の電気料負担区分是正問題について学生寮自治会連合(寮連)を中心とする学生諸君の主張には残念ながら変化がありません。昨年末、大学は寮連への説得がはなはだ困難であると判断し、大学全体の今後のため、また新入生の教育のため、さらに社会的な責任を果たすため、毅然とした対応をとる決断をしました。
 12月17日に「学生協だより」第6号でお知らせしてから後、寮連からの「団交」要求行動とそれに対する大学の回答、不払を続ける寮生・学寮に対する措置など多くのことがありました。
 本号ではそれについてご報告し、対応措置の意味を簡潔にお知らせいたします。詳細な説明は本文では省き、資料を末尾に添えることにします。関係資料は本文中の[ ]内の数字順になっています。本文中でふれていながら番号が付されていない文書は本号の資料として掲載しなかったものです。
 *学生生活協議会(学生協)は東北大学において教育を受けている学生などの皆さんのキャンパス生活に関することで大学全般に及ぶ事項を審議し決定する全学的な委員会です。課外活動についてまたそのための施設について、奨学金や授業料等減免などについて、学寮の運営について、その他の日常的なことについて大学としての対応を決め、中長期的な施策について評議会に提言をします。

1 はじめに
 東北大学は学寮の電気料負担区分を是正いたしました:これについては今までの「学生協だより」に詳しく説明がありますので[*]、少しだけ触れます。学寮における電気料金の負担区分とは、学寮に毎月請求される電気料金のうち、どれだけを寮生が負担しどれだけを国費で負担するかということです。寮生個人が使った分を自己負担とし、共通部分で使用した分を国費で負担することが現在の負担区分の基本です。平成9年度までに東北大学で行われていた負担区分は、有朋寮、日就寮、以文寮、霽風寮について、文部省から示された国の基準よりも超過して負担しているものでした。会計検査院の文書による指摘を受けて是正した負担区分を平成10年度より実施することを大学として決断しました。しかし寮生諸君は納得せず、有朋寮と日就寮による寮としての「是正分不払」運動を行って抗議を続けているのが現状です。
[*]特に、「学生協だより」第2号に詳しく書かれています。

2 寮連の度重なる「団交」要求に「応じない」と回答
 第3次・第4次電気料問題「団交」要求書を受け取りました:寮連は1月4日に副総長に宛てて「第3次団体交渉(団交)要求書」[1]を郵送によって提出し、あわせて総長宛に「公開質問状」[2]を提出しました。1月26日には「第4次団交要求書」[3]を提出しましたが、その手渡しは異常な形[*]で行なわれました。
 [*]以下の項目6の中で説明します。

 「会見は行わない」、「『団交』によって解決する問題ではない」と回答しました:第3次・第4次の要求書に対しては、それぞれ学生協で審議して回答しました[,]。その中で、電気料問題での副総長会見は必要ないと判断し、従来繰り返されてきた「団交」では電気料問題は解決不能となるであろうとの考えを述べました。「公開質問状」に対する回答[6]は副総長と学生協の名で行われました。このような問題での寮生・学生の要求や主張への対応は総長が直接行うのでなく、副総長・学生協の役割です。その中で、総長への「12月15日評議会開催に際し警察の出動を要請した」との抗議に対しては、その事実が無いことを明言しています。

 話し合いを拒んでいるのではなく、「団交」に応じないと伝えています。:大学は電気料問題の解決のために寮生との副総長会見ではなく、責任ある代表者による話し合いを呼びかけています。
 [*]このことは以下の項目の中で説明します。

 日就寮食堂についての『団交』要求を受け取りました:1月18日に寮連の「団交要求書」が届きました。これに対して学生協で審議し、日就寮からの食堂についての希望に対しては学寮専門委員会(学寮専)が寮委員会と面談して十分に応えており、特別な会見は行わないことを回答しました。

3 それぞれ意味・目的の異なる2つの措置について
 有朋寮と日就寮では寮委員会が取りまとめて請求額と異なる納入をしようとしています:平成10年5月請求分から有朋寮、日就寮、以文寮、霽風寮に対しての大学からの請求は各寮生個人宛になされています[*]。しかしその2寮では、寮生個人が納付期限までに納めた例は稀であり、寮委員会が「負担区分是正を認めない」として寮ごとにとりまとめて請求額に満たない金額を納入しようとしてきました。しかし請求額と異なっては納入になりません。従って大学は受け取りませんでした。電力会社に対しては大学が個人負担分を含めて電気料金を支払っているので、電気を止められることはありません。しかし、寮としての行動の結果、各寮生は国庫(大学)に対して債務を負いました。
 [*]なぜ寮生個人宛てかについては、今までの「学生協だより」の中に、特に第2号に、詳しい説明があります。

 未払いの個人に対して裁判所による支払督促が行われるよう手続をとります:寮生が支払に応じないため、大学は連帯保証人に対し納入のお願いをきめ細かに行いました。その結果、納入が徐々に進みました。連帯保証人である保護者等の方々にはお礼を申し上げます。しかし、一部の寮生・連帯保証人には、大学からの最初の請求以後、再三の働きかけにもかかわらず既に6ヶ月以上経過してもなお納入に応じないことから、支払の意思が無いものと判断せざるを得ません。大学としてはやむを得ず、これらの個人を対象に司法当局に債権の確認を求めることを決心しました[*]。 債務を負っている寮生には簡易裁判所から支払督促が届くことになり、それを放置すれば仮執行宣言付きの督促を受けることになります。
 [*]これについては既に「学生協だより」第6号でお知らせしました。

 不払を続ける限り有朋寮と日就寮の入寮募集を停止します。
①新入生の入寮を認めない方針です:この2寮の寮生は寮委員会で取りまとめて請求額未満での納入をしようとしてきました。寮生諸君が自分で請求額通り納入しない限り問題が解決したとは言えません。これらの寮については、もし新1年生が入寮すれば今年度の例からみて必ず不払が拡大すると予想されます。現在、寮の管理運営が混乱した状況にあり、寮を適切に管理運営する責任上、また新入生の教育を最善の状況で始める責任上、大学としてこの方針を決定しました。これに伴って入寮募集は停止されます。[*]
②廃寮化ではありません:廃寮になることを意図したものではないことは以上の理由から明らかでありましょう。これは寮生に伝えました[7]
③入寮詮衡権とは無関係です:不払が撤回され入寮募集が行われる場合は従来の慣行どおりの入寮詮衡が行われます。これも寮生に伝えました[7]
 [*]これについては既に「学生協だより」第6号でお知らせしました。

4 支払督促の予告と申立
 寮生と未納の連帯保証人へ説得の手紙を出しました:12月18日に副総長から2寮の各寮生に宛てた手紙と、同じく学寮専からの手紙[7]の中で、法的措置を予告するとともに代表者と学寮専の話し合いによる解決の呼びかけをしました。このことを寮連委員長と2寮の委員長にも通知しました。同時に連帯保証人に宛てて、副総長から納入のお願いと法的措置に踏み切る決意の文書[8]を送りました。その後連帯保証人へは、その実施は近いとして納入のお願いを12月25日に発送しました。更に1月7日に最終期限の通知と、大学からとしては最後の納付のお願いを寮生と[9]連帯保証人に送りました。

 93%が納入しています:3月5日現在で寮生本人も連帯保証人もまったく納付していない寮生は2寮で20人であり、納入率は93.2%になりました。

 簡易裁判所へ支払督促の申立がおこなわれました:11月までの請求分で全額を納入してはいない20人を対象にして、法務局は2月23日に簡易裁判所へ支払督促を申立てました。
その後、この中の8人が異議を申立て、裁判が行われることになっています。

5 有朋寮・日就寮入寮募集停止の通知
 入寮募集停止措置の予告と説得の手紙を送付しました:上の項目4に引用した各寮生に宛てた手紙[7]の中で入寮募集停止についても予告し、寮連・2寮の委員長へも伝え、納入のお願いと責任ある代表者による話し合いの呼びかけをしました。その中では寮生諸君に向けて、寮生との窓口である学寮専の立場から理由と内容をていねいに説明しています。

 有朋寮・日就寮への通知をしました:2月1日には寮連と2寮の委員長へ大学の決定を通知するとともに、これ以上の事態の悪化を避けるために学寮専と寮連代表者との建設的・具体的な話し合いを呼びかけました[10]。しかし、その返答は大学の措置を「入寮募集妨害」として非難することに終始し、未だに「団交要求」に固執しています[11,12]。

 受験生・合格者への周知、全学への周知:2月24日の前期日程入学試験当日、受験生に向けて副総長名の有朋寮日就寮入寮募集停止の掲示を全学に出しました。残念なことですが、多くの部局で何者かに剥がされ、繰り返し掲示しなくてはなりませんでした。同じ日に学友会新聞部の編集長から受験生に向けて示された見解[注]による受験生の混乱を避けるため、入試の2日目に大学の方針を改めて掲示しました。また受験した方々に試験終了後に入学手続要領とともに配布した印刷物の中で事情を説明し、寮生による「自主募集」に応募しても東北大学は入寮を許可しないことを伝えています。後期日程入学試験の受験生にもお知らせしました。さらに、合格者にも再度事情を説明し、不法入寮とならないように注意を促しています[13]。一方、全学へ向けて告示でお知らせしました[14]

 入学試験時の寮連試験場立ち入り許可に際して注意:前期日程入学試験当日に寮生及び各寮寮生が入寮募集のため試験場内へ立ち入ることを許可するための腕章を、従来の枚数から有朋寮・日就寮分の2枚を減らして交付しました。その際に、この2寮の募集を行わないよう文書で注意しました。

 [注]慎重さに欠けた学友会新聞部の記事
 2月25日に学友会新聞部発行の「東北大学新聞受験生特集号」に、「仮に入寮募集停止措置が執行されたとしても、入寮は実際には可能であると思われる」と書かれた編集長署名入り記事が掲載されました。このような予想記事は新入生に誤解を与えかねず、新聞の社会的責任の重さを考えるとき、慎重さに欠けると言わざるを得ません。学寮専を通じて新聞部に申し入れをしました[15]。東北大学新聞が責任ある独立した立場での報道姿勢を貫くよう願っています。なお、以前から学寮の問題に関する新聞部の取材には学寮専が積極的に応ずることも伝えてあります。

6 寮生等の乱暴な行動、厳重注意と質問状
 寮生と見られる覆面の一団が総長室に侵入しました:12月24日午後、ほとんどが顔を覆面で隠した寮生と見られる者30数名が事務局庁舎の裏手から施錠してあるシャッターを壊して総長室に強引に乱入し、総長との面会・副総長との「団交」の要求を執拗に繰り返すなどの行為を行いました。これに対して告示[16]で遺憾の意を伝えるとともに被害届を出すなどの措置の検討を表明しました。この行為について寮連委員長などへ質問状[17]を送りましたが、未だに回答がありません。また、機会ある毎に口頭あるいは文書で寮連委員長などにただしていますが、寮連などの関与した行為であるかについての肯定も否定もされておりません。

 事務局前で気勢をあげ多量のビラを糊付しました:1月11に行われた寮生らしき者達の行為に対して厳重に注意する文書[18]を寮連委員長に送り、2寮の委員長にも郵送であるいは直接に渡しました。

 学寮専委員の研究室へ乱入しました:1月26日に学寮専委員の経済学部教授の研究室付近に突然多数の寮生等が乱入し、研究室内で委員に寮連などからの「第4次団交要求書」の受領を強要するなどの行動をとりました。これに対し厳重に注意した手紙[19]を送りました。学寮専は以前から、例えば「団交要求書」提出の際に過度の行動を慎むよう注意した文書[20]の中で、郵送によって提出するようにと伝えてありました。

 受験生への掲示物の破棄行為に対する質問状を送りました:前期日程当日の掲示物破棄行為について、寮連委員長と2寮の委員長へ、寮連として行った行為か一部寮生の行為か、寮連として支持するのかをただす質問状を3月4日に送付し、また機会があるたびに口頭でただしていますがまだ否定も肯定もされていません。

7 終わりに
 適正な電気料の支払いと、建設的で具体的な話し合いが解決への唯一の道です:以上のように、日就寮と有朋寮は入寮募集停止の措置に反発し、寮連は「『団交』なくしては負担区分の是正を認めない」との主張を繰り返し、適正額の支払をしようとせず、大学が呼びかけている責任ある代表者による話し合いに応じておりません。さらに言葉を尽くして日就寮と有朋寮の寮生諸君に働きかけていきますが、東北大学を構成する教職員・学生の皆様には、私的生活費個人負担の原則の選択が大学として正しい判断であるとのご支持をいただき、支払督促申立ての措置がやむをえない選択であること、また入寮募集停止は大学がその責任を果たすためでしかも混乱を最小限にとどめる措置であることをご理解いただきますよう改めてお願いいたします。

学 生 生 活 協 議 会








[1]
第三次団体交渉要求書


 副学長(学務等担当)仁田 新一殿
 我々寮連は電気料問題解決を話し合いによって早期解決するためつよく副学長(学務等担当)団交を要求する。大学当局が「大学は話し合う準備がある」といっているのにもかかわらず話し合いを拒否し、あまつさえこの問題においてまったく関係のない「入寮募集停止」を持ち出し、暴力的に「是正」を押しつけようとすることに対して、つよく抗議する。
 寮連の提出した『第二次団交要求』に対する12月14日に出た大学当局の『回答』は到底納得できるものではなかった。なぜなら、大学当局が副学長団交を行わない主な理由として、寮生が電気料「是正」の白紙撤回を掲げていることを挙げているからだ。そもそも団交は意見、主張の違う大学当局と寮連とが話し合い、そのうえで合意をめざす場である。よって団交においてこちらが何をスローガンとして掲げようか大学当局には関係ないのである。以前の団交(新寮団交)においても、大学側は「新々寮四条件」の貫徹を、寮連側は「新々寮四条件」の粉砕を目的としていたわけだが、団交は行われていた。つまり12月14日の『回答』はまったくもって『第二次団交要求』に対する回答になっていないし、団交を拒否する理由になっていないのである。また12月18日に送られてきた「学寮電気料相当額の納入の要請と今後の対応について」では、寮連の2度にわたる団交要求には一切触れていない。しかも「今後の寮運営について、責任ある代表者による理性的な話し合い」というのはボス交渉のことである。大学当局は団交を行わない理由すら挙げず、ひたすら団交を拒否しているのである。我々寮連はこのような団交破壊は絶対に許すことは出来ないし、『団交要求』に対する理由にもならない理由でもって団交を拒否することには到底納得がいかない。よって副学長(学務等担当)団交の即時開催を要求する。
 大学当局はこの問題を通じて上記にあげた団交破壊、そして12月15日に行われた評議会で決定された「入寮募集停止」による自治破壊―廃寮化を目論んでいる。そのような話のたてかたをするからこそ電気料問題とはまったく関係のない「入寮募集停止」を、有朋寮・日就寮が電気料を不払いしているからという理由で引き合いにだすのである。つまり大学当局は電気料問題をテコに自治寮の根幹とも言うべき寮の入退寮銓衡権を奪い、自治寮を廃寮しようとしているとしか思えない負担「区分」の問題である電気料問題の解決に入寮募集停止という入退寮銓衡権の剥奪を持ち出してくることに対しては怒りしか出てこないし、大学当局の目的が自治寮の廃寮化にあることは一目瞭然である。このだれがみても間違いのない自治破壊-廃寮化攻撃を大学当局は特殊な問題(電気料問題)を解決するための仕方がない措置で、決して廃寮が目的ではないと公然と口にするのである。そもそもこの問題は大学当局の一方的通達-団交破壊が問題にされているのであり、一切の責任は大学当局にあるのだ。それを寮生に責任を転嫁し、話し合いを拒否しつづけることはこの問題を解決しようとする態度ではまったくない。
 我々は評議会が「入寮募集停止」の決定を、警察権力と一体となり暴力的に行ったことをつよく抗議する。そもそも大学当局は「入寮募集停止」の決定に至まで当事者である寮生に対して一言も言わなかったのである。さらにこの評議会は学外で、機動隊、公安警察に守られながら強行された。これが大学当局の真の姿である。学内の最高議決機関である評議会に学生、寮生の意見はまったく反映されず、しかも寮生・学生の抗議を警察権力の暴力で排除する、これが学内の暴力的支配でなくて、いったいなんなのか。私服刑事・機動隊に守られた評議会とはいったいなんなのか、甚だ疑問に思う。この評議会、そして大学当局のそのような暴挙に対して断固抗議していく。
 結論として、この電気料問題は大学当局による一方的通達が問題になっているのであり、責任の一切は大学当局にある。それにもかかわらずその責任を寮生に押しつけ、それに乗じての団交破壊、入退寮銓衡権の剥奪といった自治破壊を行うことを許すことは絶対に出来ない。もし大学当局が本当にこの電気料問題を解決したいならば、副学長(学務等担当)団交に応じるべきである。よって寮連は副学長(学務等担当)に対して団体交渉を要求する。なお、場所・時間・形態・議事団・議題に関しては10月14日に提出した第一次団交要求書のとおりとし、日時に関しては以後の予備折衝での検討事項とする。もし大学当局が話し合い(団交)を拒否し、「入寮募集停止」を強行しても、寮連執行部および有朋寮、日就寮は絶対に屈する事無く例年どおりの入寮募集、新歓を行うことを明らかにしておく。
 最後に、今回の団交要求をうけての予備折衝の日時の返答を12月28日(月)までに行うことをあわせて要求する。

1998年12月22日
東北大学学生寮自治会連合
執行委員長



[注]上記文書中で引用された「第一次団交要求書」の中での場所・時間・形態・議長団・議題の記述を以下に引用します。

  〈場 所〉川内北キャンパスA200教室
  〈時 間〉制限は設けない。やむをえず打ち切る時は、両者で議事内容を整理した上で次回の交渉日程を決定する。
  〈形 態〉大学当局は副学長(学務等担当)
       学生は東北大学学生寮自治会連合加盟寮寮生及び東北大生
  〈議長団〉東北大学学生寮自治会連合加盟寮8寮のうち3寮から各1名の3名
  〈議 題〉『電気料問題について』







[2]
公 開 質 問 状


 東北大学学長 阿部 博之殿
 我々寮生は以下の三つの点について、東北大学における最高責任者である阿部学長の見解を求めます。
 第一に、仁田副学長が二度に渡る寮生からの団交要求に対して現在に至るまで拒否の姿勢を崩していないことです。大学当局が大学運営を進めていくにあたって、当事者である学生の意見を尊重するのは当然のことであるというのは学長・学生共に共通の認識であると思います。ましてや、開寮以来一貫して寮生による主体的・創造的な自主管理・自主運営を貫いてきた自治寮に関わることで、寮生の意向を全く無視した上で大学当局側の意見を押し付けるというようなことは絶対にあってはならず、両者の話し合いによる合意を目指すのが大学当局としての誠意ある態度というものではないでしょうか。しかし、仁田副学長は寮生が従来通りの団体交渉を要求しているにもかかわらず、まさに団交を破壊することにこそ主たる目的があるのではないかと思わせるほどかたくなに寮生との話し合いを拒み続けています。副学長体制下においてその他の一般的な団交(新寮団交、食堂団交、サ協団交など)が開催されるのかも明確にしない上で『電気料問題に関しては団交を行なわない』などと言い逃れをしても、それは単なる詭弁にすぎません。本日我々は三回目の団交要求を行いました。学長には、寮に関することを寮生と大学当局との団交=話し合いで解決していく意志があるのかどうかを明らかにしていただきたいと思います。
 第二に、12月15日の阿部学長自身が議長を務める評議会において有朋寮・日就寮への「入寮募集停止」が決定されたことです。我々の要求する『団交=話し合いによる合意』を拒否した上に強行されたこの「入寮募集停止」に対して怒りを抑えることができません。そもそも、大学当局が上記二寮の入寮募集をしたことなど一度もなく、入退寮銓衡権は一貫して寮生が保有していました。そして、それと合わせて負担「区分」の是非の問題であるこの電気料「是正」から、どのような論理的整合性をもって『○管規』の適用を狙う「入寮募集停止」決定が出てくるのかも全学生に対して明らかにすべきです。それができないのであれば、従来の我々の主張通りやはりこの電気料「是正」は自治寮破壊攻撃であるということになり、すべての寮生・学生からの怒りを買うことは必至でしょう。
 第三に、15日の評議会が学外の艮陵会館で、しかも宮城県警・公安警察・機動隊の防衛の下に行われたという事実についてです。寮生が到着するはるか前(朝)から教授・職員、公安警察が会場前にいたということから、評議員ひいては阿部学長自身が宮城県警に対して会場の防衛を懇願したことはあきらかです。しかも、学内で抗議集会を続ける学友を警察権力・機動隊が『公安条例違反』で不当逮捕しようとしたこと、学友の顔を公安警察・公安調査庁がカメラやビデオなどを使って撮影していたことに対して評議会は当然抗議の声をあげてしかるべきであるのに、学生課長・神原をはじめとした当局教授・職員はひたすらに沈黙を守り、寮生・学生を、大学の自治を、学問の自由を平気で警察権力に売り渡すという許しがたい行為を行ったのです。大学当局が警察権力を導入したというのはすべての学生・マスコミ・仙台市民には明らかであり、評議会の責任者たる阿部学長がこの責任から逃れることは永久にできません。一刻も早く警察権力導入についての見解を全大学人の前に明らかにしていただきたいと思います。
 以上三点について学長の見解を求めます。回答文書は12月28日までに郵送でお願いします。

1998年12月22日
東北大学学生寮自治会連合








[3]
第四次団体交渉要求書


 副学長(学務担当)仁田新一殿
 以下の理由により,我々は副学長(学務等担当)団体交渉を要求する。

1.第三次団交要求書受け取り拒否に対して
 まず始めに、大学当局と寮生との窓口であると自ら公言している学寮専門委員会が寮生の正式な要求である「第三次団交要求書」(98年12月22日に提出行動)の受け取りを拒否し、あまつさえ片平学務部までも閉め、寮生を中にさえ入れないという前代未聞の暴挙に出たことに対してつよく抗議する。しかも99年1月21日に行なわれた寮連と学寮専との非公式面談において、寮連の団交要求書の受け取り拒否の理由を明らかにせよとの質問に対しての返答は納得がいかないどころか、呆れてものが言えないものであった。学寮専委員長熊本は「後日団交要求書は郵便で受け取った。これは受け取り拒否ではない。」と回答した。寮生から大学当局への正式な要求であるからこそ窓口であるはずの学寮専門委員が受け取りの場に出てきて、そして直接受け取るのは当然である。それを「郵便でいい」という理由で受け取り拒否することは甚だおかしい。しかも受け取りを拒否した前学寮専委員長海老澤は12月8日の第二次団交要求行動にて、「正式な文書であるから、全員の見えるところで受け取る。」といっているし、「学生協だよりNo.6」では「受け渡しの公開性」まで書かれている。以上のことより12月22日の団交要求書受け取り拒否は学寮専の窓口としての職務の放棄であり、この問題を解決しようとする立場では絶対にない。よって12月22日の第三次団交要求書受け取り拒否の謝罪と今後一切このようなことがないことを明言してもらいたい。

2.第三次団交要求書の回答に対して
「第一に~」は寮生と大学当局とが寮に関することを話し合い、つまりは団交で解決することを全面的に否定するものである。しかも「第二次団交要求の回答の補足」では「このようなもの(寮に関することは寮生の合意が必要という原則)を大学側が認めたことはないし、今後も認めないであろう。」と過去行なわれ寮生と大学当局とで合意に達した団交までも否定してきている。この間大学の団交拒否の論点の軸であるこの「第一に~」の文章は電気料団交拒否のみならず、全ての団交(大学当局と学生との話し合い)を拒否するものである。大学当局側がこのような立場に立つからこそ我々は学寮の「自主管理・自主運営」を守るため、寮に関することを寮生の合意のもと運営するため副学長団交を要求する。
「第二に~」は要約すれば「今回の電気料是正は一方的通達ではない。なぜならばこの問題は長年大学当局が寮生を説得してきた問題であるからだ。このことを無視する団交要求には応じられない。」というものである。このことが負担「区分」の今までの経緯のことをいっているとすれば、大学当局は寮生と結んだ団交での確約(※参照)を無視していることになる。また「第二次団交要求の回答の補足」での明善寮・如春寮・松風寮・昭和舎の電気料「是正」は新寮建て替えの条件として、半ば強引に行われたというのが事実である。つまり「第二に~」で述べられていることはまったくの嘘であり、団交要求を拒否する理由にもならないのである。
「第三に~」で強調されている「会計検査院の指摘の喫緊性」、「また電気料『是正』をまったなしの選択」にしたのは大学当局がその事実を寮生にひた隠しに隠していたためである。大学当局が電気料問題を早急に解決しなければならない問題であると認識しているならば、大学当局は即刻副学長団交を行うべきである。それを大学当局が団交を拒否したためにこの問題が解決していないのである。また「(寮生の合意を待つことは)東北大学全学の利益が損なわれる」という論理は小数(寮生、学生)の意見を切り捨てるものであり、そもそも寮生、学生の意見を無視したところで全学の利益」になるはずがない。大学当局がこのような理由で団交を拒否しようと、この問題は寮生と大学当局とが話し合うことでしか解決しない。

3.「入寮募集停止」「法的措置」について
 まずこの「入寮募集停止」「法的措置」は寮生およびその連帯保証人(親)に対する恫喝であり、大学当局が電気料問題を話し合いで解決することを自ら放棄したということである。大学当局は現在「大学側はいつでも寮生と話し合う準備がある。」といっているが、実際には寮生からの団交要求を拒否し、同時に寮生の屈伏を迫り、挙げ句の果てには学内の問題である電気料問題を裁判という学外に持ち出し解決しようとしている。これは、大学当局が寮における自治を認めない、当然自治寮がもつべき権利である団体交渉も認めない、また大学当局の目的が自治寮の廃寮化であることの証明である。
 「入寮募集停止」については第三次団交要求書で説明したとおり、電気料問題の解決の手段として持ち出すことはおかしいのである。そもそも大学当局が請求(電気料問題の責任)を寮生個人に勝手にしておきながら寮全体の問題である入寮募集を妨害してくることは、大学当局がどんな理由付け(「すでに在寮している寮生に影響がない」「廃寮化を意図したものではない」)をしても何の正当性もない。これに対して寮連、有朋寮、日就寮はこの「脅し」に屈する事無く不払いを貫徹していく。そして99年の入寮募集を今までどおりの自主募集で行っていくことを明記しておく。
 「法的措置」は上記に述べたように学内問題を司法権力を持ち出して解決することである。これにより大学当局の言う「寮生との話し合いを求めている」がまったくの嘘であることがわかる。また学外での解決ということは大学当局の大学管理責任の放棄であり、大学自治の放棄である。つまるところ大学当局は団交拒否の理由を色々持ち出してくるが、電気料問題を寮生と話し合って解決しようと考えていないのであり、さらにそのことは電気料問題に限らないのである。このことは「第三次団交要求行動の回答」をみても明かである。また「法的措置」に対しても、それの目的である寮生が不払いを取り止めることは絶対にないことも明記する。
 以上をもって副学長(学務等担当)との団交交渉の要求とする。大学当局の「寮に関することは全て寮生の合意が必要という原則は認めていない。」という見解は電気料団交のみならず、全ての団交を今後(過去も)一切行わないという主旨である。我々は自治寮を守る立場、電気料問題を話し合いによって解決しようとする立場から大学当局のこの考えは絶対に許すことは出来ない。よって大学当局にはこの考えの撤回と謝罪を我々の要求通りに副学長(学務等担当)団体交渉に応じることで示してもらいたい。なお、場所・時間・形態・議長団・議題に関しては98年10月14日に提出した第一次団交要求書のとおりとし、日時に関しては以後の予備折衝での検討事項とする。
 最後に、今回の団交要求を受けて予備折衝の日時の返答を2月2日(月)までに行なうことをあわせて要求する。

※66年1月24日学長団交 「学寮は厚生施設であり、~負担区分軽減に努力する。」
 68年5月9日学生部長団交「負担区分は双方で軽減の方向で努力する。」
 68年10月25日学長団交 「2・18負担区分通達については、政府に改正を求める。寮生の負担は軽減する。」

1998年1月26日
東北大学学生寮自治会連合
執行委員長








[4]

平成11年1月13日

 東北大学学生寮自治会連合
  執行委員長殿

東北大学副総長(学務等担当)
 仁 田 新 一   


「第三次団体交渉要求書」に対する回答について


 寮連の「団体交渉要求」には応じられない旨を回答する。

 再三再四述べているように、電気料問題は、会計検査院の3度目の指摘を受けてぎりぎりの決断を迫られたものであり、白紙撤回を主張するだけの寮連の「団体交渉要求」には応じられない。したがってこの問題での副総長会見は必要ないと判断している。
理由は以下の通り。
 第一に、寮連は、寮に関わることはすべて寮生の同意が必要である「原則」なるものを主張し、一切の論理をそこから組み立てようとするが、大学側はこのような「原則」を認めていない。寮連がこの「原則」に立つ限り、議論はいつも平行線をたどるだけであり、電気料問題を解決することには結びつかない。
 第二に、寮連は、電気料負担区分是正を突然一方的に押しつけたと主張しているが、事実は、むしろ大学側が忍耐づよく長期にわたって説得してきたのであり、この経緯を無視する「団体交渉」には応じられない。負担区分問題は、大学と寮連の間に横たわる積年の懸案事項の一つであったし、最近では、1995年から97年にかけて5度行われた新寮に関する会見において、いわゆる「新々寮4条件」の中の一つとして常に話題とされてきたものである。寮連は、他の3条件とともに、私的生活に係わる経費の自己負担原則(負担区分是正)を決して認めようとしなかったのである。一昨年12月の学生部長会見での大学側の切実な訴えに寮連は耳を貸そうとしなかったし、今なお、負担区分是正の白紙撤回を主張している。このような状況下での「団交」要求は、電気料問題解決のための「団交」ではなく、「団交のための団交」要求でしかない。解決の展望を見いだせないままの「団交のための団交」要求は、会計検査院による第3次指摘の重大性を過小評価しており、電気料問題の是正を実行しなければ、東北大学は窮地に追いやられることになる。
 第三に、会計検査院の指摘という喫緊性により、この問題は早急に完全に解決することが求められるのであり、「団交」によって解決する問題ではない。寮連は、大学と寮連の主張が対立したまま行われてきた「新寮『団交』」を引き合いに出して、電気料問題で「団交」をせよという。だが、このような要求は電気料問題の喫緊性を理解していない主張である。電気料負担区分是正がいわば待ったなしの選択であったことを、寮連は全く理解していない。従来繰り返されてきた「団交」では、電気料問題は解決不能となるだろう。第二次団交要求書に対する回答(12月19日付け「『第二次団体交渉要求書』に対する回答への補足」)でも述べたように、そのような事態は東北大学全学の利益が損なわれることを意味し、大学として耐えうるものではない。
 なお、入寮募集停止措置が、電気料問題に関わってのやむをえざる措置として検討されたものであることは、「『第二次団体交渉要求書』に対する回答への補足」で述べた通りなので、ここでは繰り返さない。
 また、12月15日の事態に関して、寮連は、大学が警察の出動を要請したと主張・抗議をしているが、そのような事実は全くないことを明言しておく。







[5]

平成11年2月10日



東北大学学生寮自治会連合執行委員長 殿

東北大学副総長(学務等担当)
 仁 田 新 一   


第4次団体交渉要求書に対する回答


 すでに「第3次団体交渉要求書」への回答で述べているように、電気料負担区分是正の白紙撤回は不可能である。したがって、この問題で副総長会見をする必要性も認められない。
この理由についてはすでに幾度か説明しているので、関連する件について、補足的に大学側の考え方を3点述べておく。
 第一に、東北大学学生寮自治会連合(寮連)は、学寮専門委員会(学寮専)が「第3次団体交渉要求書」の受け取りを拒否したというが、そのような事実はない。1月4日に学生寮専委員長宛に郵送されたものは正式に受領し、学生生活協議会(学生協)の審議に付した上で、すでに寮連に対して回答済みである。学生専は、昨年12月8日のように、委員を夜9時過ぎまで4時間以上にわたって拘束するなどという寮連の行動を避けるために直接的な対応を拒否したのであって、窓口としての役割は十分果たしていると考えている。
 第二に、寮連が主張するように、電気料金負担是正を突然一方的に押しつけたのではなく、大学は長年にわたって負担区分是正を説得してきている。大学が、私的生活の自己負担原則にもとづく負担区分を受け入れるよう寮生諸君に訴えてきたことは周知の事実である。電気料問題もその一環である。
さらに今回、会計検査院の第三次指摘を受けるに至って、大学に対する国民の批判が強まっている中での指摘であることを重く受け止め、早急に電気料負担区分を是正することにしたのである。
 第三に、入寮募集停止に関しては、電気料相当分の不払い運動という混乱に対処するために、大学が寮の管理責任と教育的責任を果たすべく、やむを得ざる措置としてとるものである。







[6]

平成11年1月13日


 東北大学学生寮自治会連合
  執行委員長殿

 東北大学              
 副総長(学務等担当)仁田新一  
 学生生活協議会         


「総長あて“公開質問状”」に対する回答について


1.
 電気料是正問題で、副総長会見を行わない理由は、第1次~第3次「団体交渉要求書」に対する回答、およびその補足で既に示した。
2.
 電気料是正問題と入寮募集停止措置との関わりについても、「学生協だよりNo.6」および12月18日付け文書(「電気料問題の解決にむけて」)等で繰り返し説明している。以下おもに後者の要旨により、再度説明する。
 大学には国有財産である寄宿舎施設を適切に管理する責任がある。有朋・日就二寮の電気料不払いはこの施設管理の責任上認めることはできない。寮としての不払いが表明されている以上、新入寮生にも不払いが拡大されることになると予想され、そのような事態を避けるための措置の一つとして、入寮募集停止措置をとる。
 これに加えて、混乱した状況下に新入生を入寮させることを回避し、新入生に対する大学の教育上の責任を果たすべきことも、入寮募集停止の理由である点、今回の措置が寮生の入寮銓衡慣行を否定するものではない点も、上記の文書に示している。
3.
12月15日の評議会開催に際し、大学および総長が警察の出動を要請した事実は全くないことを明言する。


 寮生・学生の要求や主張への対応は、副総長と学生協がこれにあたることになっていることから、今回もこれ以後も、総長が、このような“公開質問状”に回答することはない。
 なお、昨年12月24日の寮生と思われる者の総長室乱入に関し、学寮専委員長より寮連に、その事実に対する見解を求めているが未だ回答がない。もし、総長室乱入に寮連が組織的に関与しているならば甚だ遺憾であり、大学としては寮連との対応を根本的に見直さざるを得ないであろう。







[7]

平成10年12月18日

日就寮・有朋寮の寮生諸君へ

学寮専門委員会    
委員長 海老澤丕道


電気料問題の解決に向けて


 大学はこの4月から、新しい負担区分に基づく電気料の請求を寮生個人に対して行っていますが、有朋寮・日就寮の2寮は寮として不払いをしています。寮委員会は請求額に満たない金額を持参していますが、それでは受け取ることは出来ず、結果として、滞納の状態がもう6ヶ月も続いています。
大学はこのような異常な状態を深刻にとらえ、また、その渦中にあって落ち着いて学業や充実した大学生活を送るべき寮生諸君が混乱し浮き足立った状況に陥っていることを悲痛な思いでとらえています。
 今まで、副総長から、また学寮専委員長からたびたび不払をやめるよう、また解決のために寮連や寮委員会と学寮専との面談を持つよう呼びかけてきましたが、いずれも拒否されています。一方、寮連は『電気料是正措置を一方的に大学が押しつけてきた』、『団体交渉による合意が必要だ』と主張し、副総長との会見を要求しています。しかし、この問題については、大学は約20年間私生活費自己負担原則を適用するよう要請し続け、寮生からは話し合いを拒否され続けてきたことを考えて下さい。寮の電気料の負担区分是正は私的生活費自己負担原則に基づくものであり、「学生協だより」等で重ねて説明しているように今回の是正はせざるを得なかったもので、副総長との会見によって決着をはかることのできる問題ではないのです。

 ここであらためて、有朋寮、日就寮の寮生諸君に、不払いをやめ、請求額通りの支払いに応じることを要請します。

 大学としてはこの要請が実現されることを望んでいますが、不幸にして有朋寮、日就寮の寮生が電気料不払いを続けるならば、大学はこれを黙認することは許されません。大学としての管理・運営の責任ばかりではなく、教育上の責任を果たすべく相応の措置を取らざるをえません。その一つとして、平成11年度の入寮募集を有朋寮、日就寮に対しては認めることができないという方針で臨まざるをえないと考えています。なお、この方針はあくまで条件付きであって、電気料不払い決議が撤回され請求通りの納入がなされれば募集停止に至らないことはもちろん、募集停止措置がとられた後であっても解除されることになります。大学としてはこの措置の実施に追い込まれないことを強く望んでいます。

 このような方針で臨むことを余儀なくされた理由は2つあります。
 一つは、寮の電気料不払いという国有財産管理者としての責任を果たせない混乱した状況が拡大することを防がなければならないことです。大学には国有財産である寄宿舎施設を適切に管理する責任があり、二つの寮の電気料不払いはこの施設管理の責任上認めることができません。寮として不払いを続ける意志が表明されているので、新入寮生にも不払いが拡大されることになることが予想され、そのような事態は避けるべきであると判断せざるを得ません。このために講ずべき措置の一つとして入寮募集停止が妥当であると判断されます。
 二つ目の理由は、新入生の教育を混乱した状態において始めることのないようにするという責任を果たすことです。現在の2寮の寮生諸君が寮として不払いをしている状況を大学として認めることはできず、新入生をそのような状況の中に受け入れることはできないと考えます。

 入寮募集停止は新入生を無用な混乱に巻き込まないための措置であって、既に入寮し在寮資格を有する寮生が在寮を続けることに影響を与えるものではありません。また、今回の措置は、入寮募集を停止するものであり、寮生による入寮銓衡の慣行を否定するものではありません。従って寮の学生自治に影響を与えるものではなく、ましてや「廃寮化」を意図したものではありません。
 寮連は『大学が廃寮化を意図して寮生に反対運動を起こさせるために電気料問題を提起した』という論理を展開していますが、その論理によれば寮連の行動に矛盾が生じることは明らかです。つまり、不払いをして反対運動を激化させることはその『意図』通りの行動であり『廃寮化』に協力したということです。そんなことはありえないでしょう。また、その論理を信じるなら、廃寮化させないための最善の対応策は不払いをしないことであるという結論になり、矛盾です。不払いをやめることで電気料問題は解決します。

 寮生のビラによると、『私たちの電気料「是正」分の不払いは決して頑なな700円の値上げへの反対ではありません』(有朋寮)と明言されています。大学はこのことを信じます。そうならば、不払いをぜひ撤回して下さい。その上で問題点を話し合うことができると思います。さらに、『電気料の内容以前の問題に対しての反対です。その問題こそが団体交渉権・入退寮銓衡権の剥奪=「廃寮化」=寮自治の破壊という問題なのです』(有朋寮)と主張しています。ここで指摘している問題が真実であれば確かに問題です。しかし、真実ではないことを今までも、またこの文書の中でも繰り返し述べてきました。これらはまったくの杞憂です。

 大学は、正常な形で寮が運営されることを望んでおり、入寮募集停止を望んではいないことを再度表明します。不払いが長期間続いているという状況下でやむを得ずとらざるを得ないものとして考えているものであり、入寮募集停止の措置を実際にとることなく済むことを強く願っています。有朋寮、日就寮の寮生においては、以上の理由や大学の立場を正しく評価し、ぜひ、請求額通りの電気料を納入してほしいと思います。
 学寮専で従来から代表者との話合いを呼びかけていますが、その姿勢は変わっていません。面談を通じて解決に向けた建設的で具体的な提案をしてほしいと願っています。







[8]

平成10年12月18日


有朋寮・日就寮の寮生諸君へ

 東北大学               
 副総長(学務等担当)仁田 新一  
 学生生活協議会          


学寮電気料相当額の納入の要請と今後の対応について


 電気料負担区分是正問題について、会計検査院から初めて指摘を受けてから25年以上、3度めの指摘を受けてから1年以上が経過しました。大学は、他に選択しようがない状況の下で、本年4月から負担区分を是正することとし、これまで繰り返し基本的な考え方と方針を説明し、その理解を求めてきました。既に60%を超える寮生およびその連帯保証人の方から電気料相当額の納入を受けていますが、残念なことに、寮連(学生寮自治会連合)および有朋寮・日就寮の寮委員会は、いまだに不払いの方針をとっています。
 電気料負担区分是正問題の核心は、私生活に係る部分の電気料については、寮生個人が負担すべきであり、たとえ国立大学の学生寮であっても、大学がその予算から支出することは、他の寮生や学生との間に不公平を生じ、また一般の納税者に対して公正を欠くということにあります。寮生諸君は大学が是正を一方的に押し付けたと主張していますが、公的資金の使途について社会の厳しい視線が注がれる中で、大学として裁量の余地のないぎりぎりの判断を下したものです。また、寮生諸君はこの問題を契機として大学が有朋寮・日就寮の廃寮化を図ろうとしているなどと主張していますが、大学としてその意図がないことは重ねて説明してきたとおりです。寮生諸君の受け止め方を大学は重くみていますが、一部の寮生諸君が「電気料是正粉砕」を叫んで暴力的な行為を含む抗議行動を繰り返していることは誠に残念であり、強く自重を求めます。
 本年4月以降も、国(大学)は寮生が負担すべき電気料についていわば立て替え払いを続けてきており、電気料相当額について寮生および連帯保証人は国(大学)に対して法律上の債務を負っています。このまま未納の状態が続く場合には、国(大学)は、納入を得るためのやむをえない措置として、未納の寮生に対し、裁判所を通した法的措置(支払督促の申立て)をとる準備に入らざるをえません(請求額には申立て手数料が加算されます)。
 また、大学は、混乱の一層の拡大を防ぐためには、各寮が不払いの方針を取り続けるかぎり、入寮募集停止という選択をせざるをえないと考えています。仮に入寮募集停止の措置がとられることになったとしても、寮として今後支払いに応ずることが決定され未払い額が現実に支払われれば、この措置は直ちに解除されますし、入寮募集停止は、既に入寮し在寮資格を有している寮生が在寮を続けることに影響を及ぼすものではありません。
 大学として進んで以上の措置をとりたいとは考えていませんが、大学は、寮の発展について学内および学外から広い理解を得るためにも、寮生諸君が他の寮生・学生や一般市民との間に不公平を生じない負担をすることが必要であると考えています。ぜひもう一度考え直して下さい。今後の寮運営について、責任ある代表者による理性的な話し合いには、今後とも学寮専門委員会がいつでも応ずる用意があることを付言しておきます。






[9]

平成11年1月7日


 寮生諸君へ

東北大学副総長(学務等担当)
 仁 田 新 一   


 電気料相当額未納入の寮生諸君に支払いの最終期限を通知します。
 有朋寮・日就寮の2寮の電気料問題については、昨年来、数度にわたって通知しているので大学側の意思は十分理解されているものと思います。
 このまま電気料相当額の未納の状況が続きますと、すでに昨年12月18日付け文書(学寮電気料相当額の納入の要請と今後の対応について)によって通知しているように、法的手続きをとることとし、来る1月14日(木)をその最終期限とします。この日までに未納分の電気料相当額が、諸君ないし諸君の連帯保証人から納入されない場合には、大学は、裁判所に支払い督促の申し立てをする手続きに入ります。なお、未成年者の場合には、親権者が代理人として法的手続きの対象となります。
 ここに電気料相当額納入の最終期限を通知するとともに、無用な混乱を避けるために、1日も早く電気料相当額を納入するよう勧告します。







[10]

平成11年2月1日


東北大学学生寮自治会連合委員長殿
東北大学有朋寮・日就寮委員長殿

東北大学副総長(学務等担当)
 仁 田 新 一   


有朋寮・日就寮の入寮募集停止について


 すでに、12月18日付けの学寮専委員長名の寮委員長宛の文書「電気料問題の解決に向けて」で通知したように、大学としては電気料の不払いが続けば上記2寮の来年度の入寮の募集を停止せざるを得ない旨を知らせ、電気料を支払うよう要請してきました。
 しかし、誠に残念なことに1月末日現在、上記2寮は依然として新しい負担区分による電気料を支払うことを拒否しており、大学はこれを黙認することはできず、学寮の管理運営及び教育的責任から、来年度の上記2寮の入寮募集を停止することを決定したので通知します。
 なお、今後とも適正な電気料が支払われれば、この措置は速やかに解除することとしておりますので、これ以上の事態の悪化を避けるため、学寮専と寮連代表者との面談による解決に向けた建設的で具体的な話し合いを持つことを強く求めます。







[11]
抗 議 声 明


 副学長(学務等担当)仁田 新一殿

 我々は、99年度入学試験において、当局による有朋寮及び日就寮に対する「入寮募集停止」措置を受験生に対して告示し、我々の新入寮生募集活動に妨害を加えた事を徹底的に弾劾する。今回の「入寮募集停止措置」は、あくまで話し合いによる解決を求め四度に渡って団体交渉を要求する有朋寮、日就寮の主張を暴力的に圧殺し、寮自治を完全に無視し、「当局の意向を素直に聞き入れない学寮は潰してしまえ」という論理にもとづく制裁行為に他ならない。我々の四度に渡る団交要求を拒否し、寮生の前に一度も姿を現さず、しかるべき責任ある対応を怠っておきながら、「入寮募集停止」という強権的な措置をとったことは、到底許されるものではない。副学長は、今回の措置が電気料問題のみならず、寮自治、学生自治に対してどれほどの悪影響を与えるものであるかを真剣に考えるべきである。今すぐに受験生に対する「入寮募集停止」措置の告示を撤回し、入寮募集活動を妨害し、寮自治を侵害したことを謝罪し、我々の団交要求に応じるよう強く要求する。電気料問題における解決の道は副学長自らが我々との団交要求に応じる意外に有り得ない事を確認し、我々は当局の妨害をはねのけ新歓活動を貫徹することをここに宣言する。

東北大学三神峯有朋寮









[12]
抗 議 声 明


 副学長(学務等担当)仁田新一殿
 我々日就寮は、大学当局が受験生に配布した文書並びに学内に掲示した文書を徹底的に批判し、こうした不当極まりない手段を用いて入寮を妨害する大学当局に対し心底の怒りをもって抗議する。
 第一に、日就寮・有朋寮の入寮募集に関して確かな事実を挙げるとするならば、それはこの二寮が運営を始めて以来、入寮募集に関する一切を我々寮生が行ってきたというこの一点のみである。大学当局のいう「入寮募集停止」などとは入寮妨害以外のなにものでもない。しかもこの入寮妨害が、「電気料問題は団交における話し合いによって解決できるものである」という我々の主張を無視した形で強行されたということはすでに全学の知るところである。
 さらに許しがたいことは受験生に対して「有朋寮・日就寮の入寮募集停止について」なる文書を配布したということである。この文書において「寮の一層の混乱を招くことになる」「教育的見地からも、新入生にはより良好な環境で大学生活を始めてもらいたいと考える」とあるが、寮にくることはおろか我々の前に姿さえ現したことのない副学長・仁田新一の言葉としてはあまりに無責任であろう。学務等担当・副学長という立場の人間の、これほどまでに無責任な発言を大学の公式な文書として発表するというのであれば、それは重大な問題としてとらえざるを得ない。我々の寮は生活になんの支障もなく通常どおり運営している。さらに、毎月の評議会・学生協の日に川内キャンパスに私服警官を張り込ませ、学生を監視するという我々学生・寮生を犯罪者として扱うかのような対応が、そしてこの異常なキャンパスに何も知らない新入生を入れることが当局の言う「教育的見地」であるのか。現状況の正しい説明の一切を欠いたこの文書を、卑劣にも何も知らない受験生に配布したことに対し、我々は激しく抗議する。
 第二に、この入寮妨害は経済的に就学が苦しい人を保証するという学寮の厚生施設的意義を真っ向から否定するものであり許すことはできない。当局が受験生に配った文書の中に「新入生の入寮機会を狭めることは誠に心苦しいことではありますが、どうか大学の立場をご理解ください」とあるが、どこまで人を見下した言葉であろうか。現に受験生からの問い合わせで、「親が失業中なので寮に入りたい」という人がいる。こうした人に対し当局は「経済的に寮でなければ学校に通えないという人は、寮に入れなかった場合、大学の立場を考えて学校にくることを諦めてください」といいはなったのである。この有様で「開かれた大学」とはもはや詭弁にもならない幼稚な言葉遊びである。東北大学新聞をみても明らかなように、いくら当局が「入寮募集停止」をわめき散らしたところで「経済的に苦しい人が寮に入れないのはおかしい」という認識は当然すぎるほど当然であり、事実を歪曲し悪意に満ちた手段によって入寮妨害を行う当局に一片の正当性も無いことは、いまこの上なく明らかになっている。
 上述のように当局の入寮妨害はこの上なく姑息で卑劣極まるものであり、我々日就寮はこの入寮妨害に対し激しく抗議するものである。大学当局はただちに入寮妨害を止め、副学長・仁田が今すぐ我々の前に出てくることを要求する。

1999年3月4日         
東北大学日就寮








[13]

平成11年3月10日

 東北大学新入生及び父兄の皆様へのお知らせ

東北大学副総長(学務等担当)
 仁 田 新 一   


有朋寮および日就寮の入寮募集停止について


 先にもお知らせしましたように、東北大学は有朋寮と日就寮の入寮募集を停止しております。従って、たとえ寮生の「自主募集」に応募して入寮手続きをしても、これらの2寮への入寮は許可されませんので呉々も入寮手続きをしないようお気をつけてください。なお、万一実際に入寮した場合、不法入寮ということで以後の手続き等に重大な支障をきたすことになる旨、予め注意をいたしておきます。
 入寮募集停止に至った理由は、有朋寮および日就寮が、寮として電気料の不払いを続けているためであり、このような状況の中で新入生を入寮させれば寮の一層の混乱を招くことが予想されますし、新入生の皆さんにはより良好な環境で大学生活を始めてもらいたいと考えたからであります。このことにより皆さんに迷惑をかけることは誠に遺憾でありますが、どうかご理解をしてください。
 この措置は、有朋寮および日就寮のみに関わるもので、他の寮・寄宿舎には関係ありません。男子新入生が入寮できる寮としては、明善寮、以文寮、昭和舎(医学部)がありますので、入寮を希望する場合は、それらの寮に応募してください。
 学業を経済面から支援するため、授業料免除・猶予の制度や日本育英会をはじめ各種奨学金があります。それらへの申込みの案内や、下宿・アパ-トの紹介も行っていることを申し添えます。
 また、前期日程試験当日、試験場周辺で配布された「東北大学新聞」(学友会新聞部2月25日発行)には有朋・日就「両寮への入寮は実際には可能である」等の同紙編集長の見解が掲載されておりますが、大学はこのような見解は一切認めることができません。もし募集が停止されているにもかかわらず、二寮に入寮いたしますと、不法な入寮として、退去命令、明渡し訴訟の対象にもなりかねません。この点かさねてご注意をお願い致します。  何か不明な点があれば説明しますので、下記までご連絡ください。

(連絡先)
 〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2丁目1番1号
       東北大学学務部厚生課 学寮担当
       TEL:022-217-5018
       FAX:022-217-5013







[14]

告 示


 大学は有朋寮および日就寮の入寮募集停止を決定した。
 上記2寮は電気料負担区分の是正に反対して寮として不払いを続けており、このような状況のなかで入寮させれば、寮の一層の混乱を招くことが強く懸念される。従って、大学は学寮の管理運営および教育上の責任から、今回の決定を行ったので告示する。
 なお、上記2寮が不払いを撤回した場合は、この措置は速やかに解除される。
 平成11年3月1日

 副総長(学務等担当)  
 仁田 新一   
 学生生活協議会     








[15]

東北大学学友会新聞部 御中
 前略
 去る3月1日に学務部小会議室で貴紙の取材を受けたときにもいいましたが、2月25日発行の東北大学新聞(受験生特集号)の「新聞部より:今 寮が抱えている問題」という文章には重大な問題が含まれています。大学側が入寮募集停止措置を講じても、有朋寮および日就寮への「入寮が可能だと思われる」という一文がそれです。
 大学はこの文に関して、翌2月26日に急遽「受験生ならびにご父兄の皆様へ」と題する掲示を行いました。また、有朋寮及び日就寮の入寮募集停止措置について周知するための「東北大学新入生及び父兄の皆さまへのお知らせ」という文章を出す予定ですが、その中でも、東北大学新聞のこの一文について触れることとしました。電気料負担区分是正に関わる諸事情について何の知識も持たない受験生や新入生が、2/25日付東北大学新聞によって誤った判断をすることのないようにとの配慮からです。大学がこうした措置をとらざる得なかったという一事からでも、ことの重大性は明かです。
 有朋・日就2寮への入寮希望者がいれば、確かに物理的な意味での入寮は可能です。しかしながら、これは不法入寮となり、その後の退去命令等の措置の対象となります。この文章はこのことについてまったく触れておらず、読み方によっては、入寮してもそれほどの事態にはいたらないかのような印象さえ与えます。ここが問題なのです。
 入寮すれば、不法入寮となることを知った上で、「入寮が可能だと思われる」と書いたのであれば、新聞人としての良識が問われます。不法入寮となることを知らずに「入寮が可能だと思われる」と書いたとすれば、新聞人として無責任との謗りを免れません。「知らなかった」で済まされる事柄ではないからです。いずれにしても、2/25日付東北大学新聞を読んで、不法入寮となることを知らずに入寮する新入生がでてきた場合、責任がとれるのでしょうか。
 1/20日発行の事実誤認を含む記事の場合もそうですが、この間の学寮問題に関する東北大学新聞の報道は、慎重さに欠け、また、勉強不足の感は否めません。誤解しないで欲しいのですが、私たちは、東北大学新聞が完全に大学の立場に立つべきであるなどといっているのではありません。東北大学新聞は大学の広報紙ではないのですから、そのようなことは望んでもいません。ただ、伝統もあり、多数の学内読者をもっている東北大学新聞を発行するに相応しい責任感と慎重さをもっていただきたい、そう思うのです。

 草々   

 3月4日
 学寮専門委員会委員長      
 熊 本   崇   







[16]

告 示


 12月24日午後2時ごろ、有朋寮生、日就寮生と思われる約10人が突如片平キャンパスの事務局庁舎に現れ玄関内に座り込み、さらにその後30数名のヘルメット、覆面姿で寮生と名乗る者が玄関のドアや2階廊下の壁等に30枚以上のビラを強力な糊で貼り付けて汚損し、庁舎内でデモをする等の乱暴な行為を行い執務を妨害した。
 その後、一旦事務局庁舎を出て、庁舎の裏に回り、施錠していたシャッターを工具を使って破壊し、中庭に入り、窓から侵入し、制止しようとした事務局長を押しのけて総長室に通じるドアの施錠を外し総長室に強引に乱入した。さらに約30分にわたり総長室を占拠し総長との面会及び副総長との『団交』の要求を執拗に繰り返し、また、総長室の机上の書類を勝手に詮索する等の行為を行った。
 以上の行為は、明らかに違法な行為を含んでおり、決して許されることではない。すでに7月15日の学務部庁舎内外での違法行為を含む行動に対し告示を以って警告した。その他11月25日の加齢医学研究所への乱入を含む度々の乱暴な行動に対して繰返し注意を促してきた。それにもかかわらず、今回のような行動が行われたものであり、大学は放置することはできず、被害届けを出すことを含めた厳正な措置を検討せざるをえない。
 大学はここに遺憾の意を伝えるとともに、関係した学生諸君の猛省を強く求める。

 平成10年12月25日

 副総長(学務等担当)   
 学生生活協議会      








[17]

平成10年12月25日



学生寮自治会連合委員長殿

12月24日の行動についての質問状


 12月24日午後2時頃、有朋寮、日就寮の寮生と思われる約10人が事務局庁舎に現れ同庁舎玄関内に座り込んだ。その後約30数名のヘルメット覆面姿の者が加わり、玄関の戸や2階廊下の壁に30枚以上のビラを強力な糊で貼り付け、庁舎内をデモするなどの行為を行い執務を妨害した。
 その後、一旦事務局庁舎を出て、庁舎の裏に回り、施錠していたシャッターを工具を使って破壊し、中庭に入り、窓から侵入し、制止しようとした事務局長を押しのけて総長室に通じるドアの施錠を外し総長室に強引に乱入した。さらに約30分にわたり総長室を占拠し、総長との面会及び副総長との「団交」の要求を執拗に繰り返し、また、総長室の机上の書類を勝手に詮索する等の行為を行った。
 これらの今回の行為は明らかに違法な行為を含んでおり、きわめて遺憾である。
 諸君が、副総長との「団体交渉」要求して再三抗議活動を行っていることに対し学寮専門委員会は寮生との窓口としてできるかぎり誠実に対応したいと考えているが、このような違法な抗議行動がさらに行われるならば、学寮専門委員会が学内でいかに寮生のために努力しようとしてもその立場が失われていくといわざるを得ない。
 この、有朋寮、日就寮の旗を掲げた者たちの行為について寮連の見解を求める。
 これらの行為は、寮連としての行動であるとは思われないが、寮連として関知していることであるのかどうか。一部寮生の行動であるならこの行為を寮連は支持するのかどうか。支持しないならば統制がとれていないことについてどう説明するのか。返答を文書で明年1月4日までに届くように郵送することを求める。

東北大学学寮専門委員会
委員長 海老澤丕道








[18]

平成11年1月18日


1月11日の「抗議行動」に参加した学生諸君へ

1月11日の行動への注意


 諸君が事務局前でとった行動に対して、遺憾の意を伝え、今後の自重を強く求める。
 1月11日午後2時頃、約10名の寮生らしき物が片平構内に現れ、4時45分には、全員ヘルメットを着用した約40名ほどの集団が事務局庁舎前に集結し、約30分にわたってシュプレヒコールを上げ、事務局の業務を著しく妨害した。また、玄関に約100枚のビラを強力なのりで貼り付けて汚損し、従前通り復旧するために多大の労力と費用をかけさせた。
 これらの行為は、ビラに印刷された記名等から諸君が行ったものと考えるが、去る12月24日の事務局庁舎での行動に対する警告にもかかわらず繰り返されたもので、決して許されるものではない。今後、このような行動を取ることのないよう厳重に注意する。
 諸君の要求は承知しているが、電気料是正問題とそれに関連した措置について意見があるならば、代表者による話し合いの席につき、そこで理性的に述べることを改めて求める。

東北大学学寮専門委員会
委員長 熊 本   崇








[19]

平成11年2月2日


東北大学学生寮自治会連合執行委員長殿

学寮専門委員会委員長
熊 本   崇


 1月26日12時45分より20分間、一部の寮生諸君が突然に経済学部佐藤研究室に乱入し、「第4次団体交渉要求書」の受領を強要するなどの行動をとったことに対して厳重注意する。
 一部寮生諸君が佐藤研究室に多人数で押しかけ、ハンドマイクを使用して研究棟の静穏を乱し、断りもなく教官の写真を撮影するなどの行動に及び、さらに「団体要求書」の受領を強要したことは問題である。
 昨年12月8日、諸君は「団交要求書提出」行動として、学寮専門委員を長時間にわたって取り囲み、発言を強要するなどの行動をとった。また、12月22日には、要求書を事務局玄関に貼り付けるなど、多大な迷惑行為を重ねた。今回は無謀な行動を避けるために郵送による提出を指示したにもかかわらず、研究室乱入という手段をとった。このような一連の行動は何の解決にもならず、事態をますます悪化させるだけである。
 今後、そのような行動をとらないよう厳重注意する。
 なお、昨年12月24日の総長室乱入について、学寮専は同月25日、委員長名義で寮連の関与の有無等を1月4日までに回答するよう要求したが、いまだに回答をえていないのは誠に遺憾である。至急回答されたい。







[20]

 平成10年12月18日送付東北大学大学生寮自治会連合執行委員長あて学寮専門委員会委員長 海老澤丕道よりの文書の中で、寮連から「『第三次団交要求書』を手渡したい」との申し入れに対して、12月8日の行動に言及して、内容を見て学生協にかけることを約束し、今回は学務部気付で学寮専あてに郵送するよう求めた。
 平成10年12月24日送付東北大学学生寮自治会連合執行委員長あて学寮専門委員会委員長海老澤丕道よりの文書の中で、12月22日寮生と見られる集団が東北大学事務局前で行った示威行動に対して注意をしたうえで、その行動の後に事務局庁舎の扉に貼付された文書類が発見されたがそのような形では受け取れない、として郵送するかまたは新たな説明文書を提出するよう求めた。
 平成11年1月22日送付東北大学学生寮自治会連合執行委員長あて学寮専門委員会委員長熊本崇よりの文書の中で、寮連からの「『第四次団交要求書』を手渡したい」との申し入れに対して、12月8日の行動と12月22日の行動が遺憾であったとして、学務部気付で学寮専あてに郵送するよう求めた。







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