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世界最高磁場で原子の観測に成功 -強磁場走査トンネル顕微鏡の開発-

東北大学金属材料研究所の西嵜照和助教と小林典男教授のグループは、金属材料研究所に設置されたハイブリッド電磁石と呼ばれる強磁場発生装置を用いて、27テスラの磁場中(地球磁場の50万倍)で材料の電気的性質を原子スケールで見ることのできる走査トンネル顕微鏡の開発に成功した。これは磁場中の原子像の観測としては従来行なわれていた14テスラまでの実績を大きく上回る世界最高磁場での観測であり、この成功によりこれまで見ることのできなかった高い磁場において、磁性材料、超伝導材料、半導体材料などの性質を原子スケールで直接見ることが可能になった。この技術を21世紀の省エネルギー材料として期待されている高温超伝導体に適用することで、高温超伝導の機構を明らかにすることや高温超伝導材料の実用化に大きな発展が期待される。この研究は、文部科学省科学研究費特定領域研究「100テスラ領域の強磁場スピン科学」から研究費の補助を受けて行なわれた。詳しくは3月20日に岡山大学で開催される日本物理学会で「ハイブリッドマグネットを用いた強磁場STMの開発」として報告される。

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