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不揮発性を高めた新構造MTJ素子を世界で初めて実現 超低消費電力システムLSIの実現へ向けた、 不揮発性スピントロニクス素子の性能向上

 国立大学法人東北大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター及び電気通信研究所の大野英男教授のグループは、株式会社日立製作所との 産学連携研究により、システムLSIの待機電力をゼロにするために記録素子として利用する垂直磁化MTJ素子において、新構造を採用することによりその不揮発性を高めることに成功しました。垂直磁化MTJ素子は2つの磁石(磁性層)を有しており、磁石の向きが互いに反対の状態では反発力がはたらきます。その結果、磁石の向きは不安定となり、不揮発性の指標である熱安定性Δが減少します。そこで、新たにステップ構造をMTJ素子に採用することにより、磁石間の反発力が抑制できるためΔが向上し、集積化時の不揮発性を満足できることを実証しました。このMTJ素子の不揮発性の向上により、機器を制御し省エネルギー動作をさせる頭脳であるシステムLSIの超低消費電力実現へ大きく前進しました。

 なお、本研究は日本学術振興会の最先端研究開発支援プログラム「省エネルギー・スピントロニクス論理集積回路の研究開発」において実施されたものです。また、本成果は、Symposia on VLSI Technologyにて発表する予定です。

 

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(問い合わせ先)

東北大学 省エネルギー・スピントロニクス集積化

システムセンター 支援室  門脇豊 室長

TEL 022-217-6116

e-mail sien*csis.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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