2011年 | プレスリリース
銀過酸化物Ag2O3が持つ高い抗菌活性の発見-東北大学科学者の卵養成講座の仙台二高生によるブレークスルー
銀化合物や銀イオンが抗菌活性を有することは古くから知られており、医療器具をはじめ日常生活用品など様々な形で利用されています。
今回、「東北大学科学者の卵」養成講座 注) において、仙台第二高等学校・化学部(顧問 渡辺尚教諭)に所属する安東沙綾さん、日置友智君、山田学倫君らは、硝酸銀の電気分解により銀樹(陰極側)を作製する過程で、陽極側に析出する金属光沢のある黒い結晶についての詳細な解析を行いました。最終的にX線回折から銀過酸化物Ag2O3の結晶構造からなることを突き止めるとともに、汎用されている酸化銀Ag2Oと比べて、より強力な抗菌活性、高い酸化活性、電導性、さらに10倍以上の銀イオンを水に溶出する能力を有したAg2O3クラスレートであることを明らかにしました。この発見は、強力な抗菌作用を有する新たな銀酸化物として、様々な領域での広範囲な利活用が期待されます。本研究成果は、2011年 11月23日付けで米科学専門誌Journal of Materials Scienceのオンライン版に掲載されました。
注)本講座は独立行政法人科学技術振興機構「未来の科学者養成講座」委託事業。
(問い合わせ先)
渡辺 尚 教諭 仙台第二高等学校
n-watanabe*sen2-h.myswan.ne.jp(*を@に置き換えてください)
Tel. 022-221-5626 Fax. 022-221-5628
東谷篤志 教授 東北大・生命科学
ahigashi*ige.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
Tel. 022-217-5715 Fax. 022-217-5745