2013年 | プレスリリース
リソスフェア-アセノスフェア間に溜まるマグマ(プレートの下ではマグマが渋滞!?)
坂巻竜也助教・鈴木昭夫准教授・大谷栄治教授など東北大学大学院理学研究科の大谷栄治教授の研究グループは、米国シカゴ大学・カリフォルニア大学などの研究者との共同研究として、兵庫県にある大型放射光施設SPring-8を利用し、地球深部条件を再現した高温高圧下におけるマグマの密度・粘性・構造を測定することで、地下で発生するマグマがリソスフェア(プレート)の底に溜まることを実験的に示しました。
地球の表層部は地震学的な研究によって硬いリソスフェアと、その下にある軟らかいアセノスフェアに分類されています。また、様々な観測データからアセノスフェア上部にはマグマなどの液体の存在が示唆されていましたが、どのようなメカニズムによってマグマが滞留しているのかはよく知られていませんでした。今回の実験では、マグマの駆動力を知る上で重要な物性値である密度と粘性を測定することによって、各々の深さにおけるマグマの上昇速度を求め、リソスフェア直下で極端にマグマの上昇速度が低下することを明らかにしました。つまり、アセノスフェアを上昇してきたマグマがリソスフェア中をなかなか進めないために、アセノスフェア上部でマグマの渋滞が起こっていることを示唆しています。また、このような温度圧力条件でのマグマの性質の変化はマグマの構造変化によって引き起こされていることを突き止めました。
本研究成果は、英国科学雑誌「Nature Geoscience」にて2013年10月27日の英国時間18:00に公開される予定です。
[問合せ先]
東北大学大学院理学研究科
地学専攻 教授 大谷栄治
E-mail: ohtani*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
TEL: 022-795-6662
地学専攻 准教授 鈴木昭夫
E-mail:a-suzuki*m.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
TEL: 022-795-6663
地学専攻 助教 坂巻竜也
E-mail: sakamaki*m.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
TEL: 022-795-6666