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精神疾患の原因となるゲノム領域の90%以上に存在する特殊な遺伝子を発見

 遺伝情報を担うゲノム上の領域が突然変異により重複・消失することで、各々の遺伝子の数が個人によって違っていることがあります(コピー数多型)。ほとんどのコピー数多型は無害ですが、統合失調症、自閉症、知的障害、うつ病といった精神疾患の原因となるコピー数多型が報告されています。しかしながら、これら疾患に関わるコピー数多型中には複数の遺伝子が含まれる場合が多く、真に原因となる遺伝子を特定するのは困難でした。東北大学大学院生命科学研究科生物多様性進化分野の牧野能士助教はイギリスとアイルランドの研究グループと共同で、精神疾患の原因となるコピー数多型と健康な人が持つコピー数多型を比較し、特定のタイプの遺伝子群が精神疾患に強く関わることを突き止めました。牧野助教らは、脊椎動物の初期進化で起きた全ゲノム重複に由来する遺伝子「オオノログ」に着目し、精神疾患の原因となるコピー数多型の90%以上がオオノログを保持していることを発見しました。今回の研究成果は、オオノログを含むゲノム領域の重複や消失が精神疾患を引き起こすことを示唆しています。今後、オオノログに着目することで、コピー数多型中の疾患原因遺伝子の効率的な同定が期待されます。本研究成果は、12月23日の米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されました。

 

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問い合わせ先

東北大学大学院生命科学研究科
担当:助教 牧野能士
電話番号:022-795-6689
メール:tamakino*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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