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金属薄膜のエッジにおける 異常な電子スピンの偏りを発見 -省エネ・小型スピントロニクス素子開発へ新たな道-

東北大学原子分子材料科学高等研究機構の高山あかり研究員(現 東京大学大学院理学系研究科助教)と高橋隆教授、同大学院理学研究科佐藤宇史准教授、大阪大学産業科学研究所小口多美夫教授らの研究グループは、ビスマス(Bi)金属薄膜の端(エッジ)で、電子の運動方向と連動してスピンの向きが揃う「ラシュバ効果」が起きていることを世界で初めて突き止めました。

ラシュバ効果は、磁石の性質を持っていない物質でも、電子のスピンの向きを揃えることができるため、次世代スピントロニクスデバイスの動作メカニズムとして注目されています。これまで様々な物質で薄膜表面のラシュバ効果は観測されており、それを利用した素子の作成も研究されていますが、ラシュバ効果が表面や界面などの2次元面でおきる現象であることから、小型化には限界があると考えられていました。今回の研究で観測されたエッジでのラシュバ効果は、表面でのラシュバ効果よりも少ない電力で特定方向にスピンを揃えることができ、1次元のエッジでスピンの方向が制御できるため素子の小型化が期待できるなど、小型で省エネルギーなスピントロニクス素子の開発に道を拓くものです。

本成果は、平成27年2月9日(米国時間)に、米国物理学誌「Physical Review Letters」オンライン版で公開されます。

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問い合わせ先

研究に関すること
高橋 隆(タカハシ タカシ)教授
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(大学院理学研究科兼任)
Tel: 022-795-6417
E-mail: t.takahashi*arpes.phys.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

報道担当
中道 康文(ナカミチ ヤスフミ)
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
広報・アウトリーチオフィス
Tel: 022-217-6146
E-mail: outreach*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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