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染色体を集める「風」~モーター分子による染色体整列のしくみ~

 細胞分裂の際に染色体が2つの細胞に分配されるためには、まず紡錘体の中央に染色体が整列する必要があります。東北大学加齢医学研究所の家村顕自研究員、田中耕三教授は、ヒト細胞でこの過程にKidとCENP-Eという2つのモーター分子が協調してはたらいていることを明らかにしました。Kidは染色体を紡錘体の極から遠ざける「風」のようなはたらきをすることが知られていましたが、ヒト細胞での実際の役割はよくわかっていませんでした。
 今回の研究から、染色体が紡錘体の中央に集まる初期の段階ではKidが主にはたらき、その後CENP-Eがそのはたらきを引き継ぐという新たなモデルが考えられました。このようなKidのはたらきは細胞の生存に必須ではありませんが、染色体の分配の正確性に影響し、がん細胞の大部分で見られる染色体数の異常に関係する可能性があります。

 本研究の成果は平成27年3月6日に国際科学誌Nature Communicationsにオンライン版で発表されました。

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問い合わせ先

東北大学加齢医学研究所
教授 田中 耕三 (たなか こうぞう)
電話番号:022-717-8491
Eメール:k.tanaka*idac.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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