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グラフェンの電子状態を制御することに成功-新たな機能開拓と伝導性の制御に道-

東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の清水亮太助教、菅原克明助教、高橋隆教授、一杉太郎准教授は、グラフェンを二層重ねた物質(二層グラフェン)の間にカルシウム原子を挿入(サンドウィッチ)した二層グラフェン化合物について、それを形成する下地基板の特性を利用して性質を改変することに成功し、電荷密度波が生じていることを明らかにしました。
 グラフェンは、エレクトロニクス応用に向けて、エネルギーギャップや超伝導等の様々な性質を付与することが切望されており、その方法が活発に検討されています。本研究では、カルシウム原子を挿入した二層グラフェン化合物を合成し、走査型トンネル顕微鏡と光電子分光法により評価を行ったところ、電荷密度波が形成していることを見出しました。電荷密度波とは、電子の濃度が周期的な濃淡を作った状態で、エネルギーギャップが生じます。
 本成果は、二層グラフェン化合物とそれを保持する基板との相互作用を利用したグラフェンの特性制御の手法を新たに提案するものです。今後、基板との状態を巧みに操ることで、超高速電子デバイスのみならず、超伝導や電荷密度波といった特性をもつ多機能な新奇デバイスの開発が期待されます。
 本成果は、平成27年4月4日(現地時間)に米国物理学会誌「Physical Review Letters」オンライン版で公開されました。

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問い合わせ先

〈研究に関すること〉
高橋 隆(タカハシ タカシ)教授
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(大学院理学研究科兼任)
Tel: 022-795-6417
E-mail: t.takahashi*arpes.phys.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

一杉 太郎(ヒトスギ タロウ)准教授
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
Tel: 022-217-5944
E-mail: hitosugi*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

〈報道担当〉
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 
広報・アウトリーチオフィス
Tel: 022-217-6146
E-mail: outreach*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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