本文へ
ここから本文です

沿岸にサンゴ礁がある地域で、波浪災害のリスクを再評価する必要性

 東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)のローバー・フォルカ助教及びブリッカー・ジェレミー准教授が、超大型台風下で津波のような破壊力を持つ波が、なぜ、どのように発生するかを分析し、その結果、この現象は「サーフビート」で明快に説明できることを解明しました。主なポイントは以下の4点です。

1)台風下で発生する高波が、サンゴ礁など沖側の勾配が急な斜面で砕けると、津波のような破壊力を持つ波「津波状サーフビート」を発生させることがあります。

2)沿岸にサンゴ礁がある地域では、通常の台風襲来時においては、サンゴ礁が波浪のエネルギーを軽減し、被害を防ぐ働きをすることが知られています。しかし、超大型台風の場合は、サンゴ礁の存在により、波浪被害がむしろ悪化する可能性があります。

3)現在、ハザードマップ作成等のために世界で汎用されている「波浪位相平均シミュレーション」は、平均的な波浪にのみ基づいており、本研究が着目した「津波状サーフビート」が考慮されていません。

4)今後、サンゴ礁など沖側の勾配が急な海岸を持つ地域(沖縄・ハワイなど)で、波浪災害のリスクを正しく推定するためには、本研究で使用した高度な数値計算手法「波浪位相再現可シミュレーション」を用いる必要があります。

 本研究は2015年8月6日に英国の科学雑誌「Nature Communications」電子版に掲載されました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学災害科学国際研究所
助教 ローバー・フォルカ(英語対応)
メール:roeber*irides.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

准教授 ブリッカー・ジェレミー(日本語・英語)
メール:bricker*irides.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
電話:022-752-2088

広報室 中鉢(日本語・英語)
メール:koho-office*irides.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
電話:022-752-2049

このページの先頭へ