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わが国初の嚢頭類(Thylacocephala)化石を南三陸町歌津で発見

東北大学総合学術博物館と南三陸町教育委員会は、南三陸町歌津の館崎周辺に分布する下部三畳系大沢層(約2億5千万年前)から、嚢頭類(のうとうるい:嚢頭綱)化石3種を発見しました。嚢頭類は、古生代シルル紀の前期(約4億4千年前)から白亜紀末(6千6百万年前)にいたる、約3億6千万年間にわたって、主として低緯度の浅海域に生息した節足動物の一グループです。謎の多い、研究途上の生物グループで、甲殻類の独自の綱をなすと考えられていますが、甲殻類の他の綱、例えばカシラエビ綱、顎脚綱、軟甲綱(エビ綱)との関係については諸説があります。

今回の発見はわが国からの嚢頭類化石の初報告で、アジアにおいても南中国の中部三畳系産の標本に次いで2例目、前期三畳紀のものとしてはマダガスカルの2種に次いで2例目です。また、発見された3種には、新属・新種1種と新種1種が含まれ、嚢頭類の系統進化や古生物地理研究の重要な資料になるものと考えられます。

本研究の成果は、Paleontological Research誌(2015年10月1日号)の下記の論文で公表される予定です。

Ehiro, M., Sasaki, O., Kano, H., Nemoto, J. and Kato, H., 2015, Thylacocephala (Arthropoda) from the Lower Triassic in the South Kitakami Belt, Northeast Japan. Paleontological Research, vol. 19, no. 4, p. 269-282.

詳細は総合学術博物館ホームページをご覧ください。

マイクロカリス科の新属・新種のホロタイプ標本

マイクロカリス科の新属・新種の想像復元図

問い合わせ先

東北大学総合学術博物館 協力研究員(名誉教授)
永広 昌之(えひろ まさゆき)
電話番号:022-795-3177
Eメール:ehiro*m.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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