2015年 | プレスリリース・研究成果
ペロブスカイト型プロトン伝導体の欠陥分布の解明に成功 ―家庭用固体酸化物形燃料電池の低コスト化、用途拡大に道―
東北大学大学院工学研究科の及川 格助教と高村 仁教授の研究グループは、300-500℃で作動する固体酸化物形燃料電池への応用が期待されているペロブスカイト型プロトン伝導体中のプロトンと酸素空孔の分布を解明し、それら欠陥の相互作用によりプロトン伝導度が向上する可能性を示しました(図)。
図.ペロブスカイト型プロトン伝導体におけるプロトンと酸素空孔の分布の模式図
現在、家庭用燃料電池エネファーム type Sとして実用化されている固体酸化物形燃料電池(SOFC)は750℃近傍で作動しており、低コスト化や用途拡大のために300-500℃の中温領域での作動が求められています。その実現には、この温度域で高いイオン伝導度を示す材料が必要とされますが、候補材料であるペロブスカイト型プロトン伝導体では、プロトンが結晶中の特定の位置にトラップされイオン伝導度が低下する「プロトントラッピング」という欠点がありました。
今回の研究成果は、このペロブスカイト型プロトン伝導体において、酸素空孔量を制御することで静電的相互作用によりプロトントラッピングが解消することを示し、中温領域においてイオン伝導度を向上させる新しい指針を提案するものです。本成果はアメリカ化学会の学術誌Chemistry of Materialsに2015年9月30日に掲載されました。
問い合わせ先
【プレスリリース問い合わせ先】
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高村 仁教授
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E-mail:takamura*material.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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E-mail:eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)