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反磁性機能酸化物で常磁性ナノピラー(原子の柱)の高密度導入に成功-超小型大容量記憶デバイスへの応用を示唆-

東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の幾原雄一教授(東京大学教授併任)、王中長准教授、陳春林助教らのグループは、IBMチューリッヒ研究所のヨハネス・ベドノルツ博士(1987年ノーベル物理学賞受賞者)らと共同で、最先端の超高分解能走査透過型電子顕微鏡による電子プローブを駆使し、機能酸化物バルク中にバルクとは異なる磁気特性をもつナノピラー(ナノサイズの原子柱)を人工的に制御して高密度に導入することにはじめて成功しました。
 本研究グループは、結晶中の格子欠陥である転位や粒界・界面を対象にして、その原子構造の解析や格子欠陥を制御した新機能材料の開発を試みてきました。今回は、超高分解能走査透過型電子顕微鏡のナノプローブ電子線によって酸化物の相変態が誘発されることを利用し、反磁性酸化物バルク中に、常磁性ナノピラー相を原子レベルで制御して導入しました。
 今後、本研究を起点にし、特異な構造を有するナノピラー相を原子レベルで制御する技術の開発、超小型大容量記憶デバイスの設計につながることが期待されます。本成果は2015年10月14日(米国時間)発行の米科学誌「Nano Letters(ナノ・レターズ)」に正式掲載されました。

(左) SrNbO3.4の[110]晶帯軸による暗視野(HAADF-STEM)像。赤枠は電子線照射を行う領域 (右) 照射後の暗視野像

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問い合わせ先

<研究に関すること>
王 中長(ワン チョンチャン)
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR) 准教授
TEL: 022-217-5933
E-mail:zcwang*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

井上 和俊(イノウエ カズトシ)
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR) 助手
TEL: 022-217-5933
E-mail:kazutoshi.inoue.a3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道担当>
清水 修(シミズ オサム)
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)
広報・アウトリーチオフィス
TEL: 022-217-6146
E-mail:aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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