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国際理学観測衛星「RISESAT」のJAXA「革新的衛星技術実証プログラム」採択決定

東北大学と北海道大学が中心となって研究開発に取り組んでいる国際理学観測衛星「RISESAT(ライズサット)」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証プログラムにおける「革新的衛星技術実証1号機のテーマ公募」の選定の結果、採択されたことが2月9日に明らかになりました。本プログラムは宇宙基本計画上の「宇宙システムの基幹的部品等の安定供給に向けた環境整備」の一環として、超小型衛星を活用した基幹的部品や新規要素技術の軌道上実証を適時かつ安価に実施することを目的としたものです。「RISESAT」は平成29年度にイプシロンロケットにて地球周回低軌道への打上げが計画されています。

「RISESAT」は50cm立方の50kg級超小型衛星であり、これまで東北大学と北海道大学が研究開発・運用してきた先行機「スプライト観測衛星雷神(RISING)」及び「RISING-2」の技術を継承しつつ、発電容量や通信速度、姿勢制御性能等に関し更なる性能向上を図ったものとなっています。日本を含め6カ国7機関が開発した6種の理学観測機器に加え、東北大学と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)との共同研究として光通信装置も搭載しています。中でも高精度姿勢制御技術と広帯域液晶可変波長フィルタ(LCTF)を用いたスペクトラム撮像技術に基づく高空間分解能スペクトル観測技術の確立は、新規地球環境計測及び農林水産鉱業市場の開拓と海外衛星利用市場の拡大に大きく貢献することが期待されています。この高解像度マルチスペクトル望遠鏡は2台のLCTFを搭載しており、大型衛星を含め世界最高クラスの420nmから1,050nmの範囲の630バンドの異なる波長で、地上において約5m分解能での撮像を可能にします。また、「RISESAT」は地上のセンサネットワークからデータを中継するストア・アンド・フォアワード機能も搭載しており、全球規模での現地観測データの収集を目指します。

東北大学と北海道大学は東南アジアを中心とするアジア約10カ国と協力し、超小型衛星の開発・利用を推進するコンソーシアムの設立と、約50機の連携運用の構想を提唱・推進しています。「RISESAT」はその構想において重要な役割を担っています。

RISESAT衛星外観

高解像度マルチスペクトル望遠鏡

問い合わせ先

東北大学工学研究科・工学部
情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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