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2種の酵素機能の融合が新たな生体反応を生み出す ~結核菌の特殊なヘム代謝戦略~

東北大学多元物質科学研究所の松井敏高准教授、高橋聡教授、齋藤正男名誉教授(現・日本医療研究開発機構)らの研究グループは結核菌の特殊なヘム分解酵素の反応機構を解明し、同一活性部位で異なるタイプの反応が進行することを発見しました。本成果は新たな抗菌薬の開発を促すだけでなく、酵素の意外な柔軟性を示した点で重要です。従来、「鍵と鍵穴」のイメージ通り、酵素の活性部位は1つの機能しか持たないと考えられてきました。しかし、異種機能を融合すれば特殊な代謝反応が可能となり、生体の複雑な要求に対応した多様な酵素が生み出されます。さらに、機能融合は人工酵素の新たな設計指針としても期待されます。
 本論文は、米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」のオンライン版において2016年3月22日に公開されました。なお本研究は、カリフォルニア大学アーバイン校のCelia W. Goulding教授、奈良女子大学の藤井浩教授と共同して行われました。

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問い合わせ先

東北大学多元物質科学研究所
准教授 松井 敏高 (マツイトシタカ)
電話:022-217-5117
E-mail:matsui*tagen.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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