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第23回高性能シミュレーションに関するワークショップ(WSSP)を開催しました

東北大学サイバーサイエンスセンターは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、ドイツのシュトゥットガルト大学高性能計算センター(HLRS)、およびNECのご協力を得て、2016年3月16日(水)~17日(木)に高性能計算に関する国際ワークショップ「第23回 Workshop on Sustained Simulation Performance(WSSP)」を開催しました。本ワークショップは、国際的に活躍している計算科学の研究者及びスーパーコンピュータ設計者を招いて、高性能・高効率大規模科学計算に関する最新の研究成果の情報交換を行うとともに、今後のスーパーコンピュータの研究開発のあり方を議論することを目的としています。

ワークショップは、青木孝文東北大学副学長の開会の挨拶のあと、文部科学省研究振興局計算科学技術推進室工藤雄之室長から我が国のHPCI政策に関するご講演で始まりました。本講演では、HPCIと呼ばれる我が国の高性能計算基盤の整備・運用状況と京コンピュータの次のシステムの研究開発事業「FLAGSHIP2020 Project」の進捗状況に関する報告がなされました。

今回は、2件の基調講演をモスクワ大学Vladimir Voevodin 教授と東北大学横堀壽光教授にしていただきました。Voevodin教授は、ロシアのトップスーパーコンピュータセンターとして50年にわたるモスクワ大学でのスーパーコンピュータの整備・運用の歴史をご紹介されたあと、現在同教授が中心となって推進するプログラミングツールの研究開発プロジェクトについて最新の研究成果を報告されました。同プロジェクトでは、多様なスーパーコンピュータシステム向けにアルゴリズムの実装・チューニングを効率よく支援するためのツールの研究開発を進めており、その成果物はAlgoWiki(http://AlgoWiki-Project.org外部サイトへ)として広くHPCコミュニティに公開されています。また、横堀教授からは、流れと圧力を連成して解くことにより、動脈瘤を有する血管壁の拍動挙動を数値解析により明らかにする最新の研究成果に関するご講演をいただきました。本成果はスーパーコンピュータを用いたCFDにより動脈瘤の存在を明らかにするものであり、今後医療現場での臨床応用が期待されています。

本ワークショップでは、主催者講演として、東北大学、JAMSTEC、HLRS、NECからも講演を行い、それぞれの研究機関からは運用するベクトル型スーパーコンピュータSX-ACEを中心にその活用状況や研究開発に関するご講演を、NECからは現在取り組む次期ベクトル型スーパーコンピュータAuroraの研究開発ロードマップが示されました。

このほか、一般講演では、国内外の研究者から、スーパーコンピュータアーキテクチャから応用まで、計算機科学分野と計算科学分野を幅広くカバーする興味深い講演がありました。ご講演についてご興味がございましたら、講演予稿集に残部がございますので、サイバーサイエンスセンターまでお問い合わせください。

文部科学省 計算科学技術推進室長 工藤雄之氏

モスクワ大学Vladimir Voevodin教授の基調講演

問い合わせ先

東北大学情報部情報基盤課総務係
E-mail:som*cc.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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