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歯のエナメル質の厚さを制御するメカニズムを解明 ~歯の大きさ調整や培養期間の短縮へ道、歯の再生治療への応用が期待~

 東北大学病院小児歯科の齋藤幹講師と東北大学大学院歯学研究科小児発達歯科学分野の福本敏教授らのグループは、歯のエナメル質の厚さを制御するメカニズムを明らかにしました。
 歯や毛などは、骨形成因子BMPを介した上皮ー間葉相互作用により器官形成が進行します。このBMPファミリー分子の1つであるGDF5が、上皮系由来であるエナメル質の形成に関与し、その厚さを制御していることを見いだしました。
 本研究はGDF5が歯の上皮細胞に発現し、エナメル質の形成にも関与する事を見いだした初の報告であり、本結果よりGDF5を用いてエナメル質形成を促進することで、歯の厚みを制御する事が可能となり、歯の再生の実現のための重要な一歩と期待されます。
 本研究の成果は平成28年3月31日に英科学雑誌、Scientific Reports 誌電子版に掲載されました。

a, GDF5タンパクの立体構造、赤い部位が408番目のアミノ酸であるW(トリプトファン)。b, GDF5とその受容体であるBMPRIB(青色)が結合したときの立体像。c, GDF5がBMPRIBと結合している部位(水色)。408番目の赤い部位がBMPRIBの結合部位の一部であることが分かります。

野生型マウスと408番目のアミノ酸をWからRへ遺伝子組み換えを行った変異型マウスの臼歯。臼歯の外形線を重ね合わせると、赤色が見えることから変異型マウスの歯の体積が増えています。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院歯学研究科小児発達歯科学分野
教授 福本 敏(ふくもと さとし)
電話番号:022-717-8380
Eメール:fukumoto*dent.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学病院小児歯科
講師 齋藤 幹(さいとう かん)
電話番号:022-717-8382
Eメール:kanta*dent.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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