本文へ
ここから本文です

世界初 二酸化炭素とジオールからの直接ポリカーボネート合成法の開発に成功

東北大学大学院工学研究科の冨重圭一教授、田村正純助教及び東京理科大学工学部工業化学科の杉本裕教授の研究グループは、二酸化炭素とジオール(2個の水酸基が2個の異なる炭素に結合している脂肪族あるいは脂環式化合物)を触媒的に直接重合させる方法を世界で初めて開発しました。ジオールを原料として用いた従来のポリカーボネート直接合成は、ホスゲンなどの有毒な試薬を用いた方法しかなかったのに対し、本研究では、無害な二酸化炭素とジオールから一段で合成可能であることを世界に先駆けて示しました。生産量の多いポリカーボネートをホスゲンではなく二酸化炭素を用い、同時にバイオマスから誘導されたジオールとの反応で合成が実現されれば、大幅な二酸化炭素の削減につながるプロセスの構築が期待されます。
 開発した手法では、酸化セリウム(CeO2)触媒と2-シアノピリジンを用い、二酸化炭素と1,4-ブタンジオールを130℃といった比較的温和な条件で反応させることで、二酸化炭素と1,4-ブタンジオールが交互重合したポリカーボネートが高収率(97%)で得られます。さらに、様々な両末端ジオールに適用可能であることも見出しました。
 この成果は2016年4月14日付(英国時間)でNature publishing groupの学術雑誌Scientific Reports電子版に掲載されました。

本研究は、公益信託ENEOS水素基金の補助を受けて実施されました。

概念図

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院工学研究科
教授 冨重 圭一
助教 田村 正純
TEL/FAX:022-795-7214
E-mail:tomi*erec.che.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ