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ゲノムの違いが代謝物に与える影響の一端を解明 ~500人規模のメタボローム解析・ゲノム解析が明らかにする代謝の個人差と病気への感受性~

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(機構長:山本雅之、以下ToMMo)の、小柴生造准教授(オミックス解析室長)らを中心としたグループは、核磁気共鳴(NMR)装置により日本人512人分の網羅的な血漿オミックス解析(メタボローム解析)を行い、既に得られていた同じ512人の全ゲノム解析の結果を用い、5つの代謝物と5つの遺伝子多型の間にそれぞれ相関があることを発見しました。また、この5つの代謝物のひとつにフェニルアラニンがありますが、相関のあった遺伝子多型が存在する酵素(PAH:フェニルケトン尿症という希少疾患に関わりがある)には、血中フェニルアラニン濃度と深い関連があると思われる別の希少変異が存在することを発見しました。これらの結果と、各酵素タンパク質の構造解析情報を用いると、酵素の活性中心に近い変異は、頻度は低いが影響が大きく、活性中心から遠い変異は、頻度は高いが影響が穏やかであることが示唆される結果を得ました。
 大規模なメタボロームとゲノム、両方の解析を実施し、その関係性を明らかにすることは、一人ひとりのゲノムに合わせた個別化予防・個別化医療につながる重要な基礎研究です。ToMMoは今後も、未来型医療の基盤となるよう解析規模を拡大して参ります。
 本研究は、文部科学省・AMEDによる東北メディカル・メガバンク計画の一環として行われました。


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問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
オミックス解析室長
室長 小柴 生造(こしば せいぞう)
電話番号:022-274-6016

(報道担当)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
長神 風二(ながみ ふうじ)
電話番号:022-717-7908
ファックス:022-717-7923
Eメール:f-nagami*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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