2016年 | プレスリリース・研究成果
ダイヤモンド母岩の噴出頻度に新解釈を提唱〜現在型のプレートテクトニクス開始を示唆する新しい証拠〜
国立大学法人東北大学東北アジア研究センター(兼務 同大学院理学研究科地学専攻)の辻森樹教授、テキサス大学ダラス校R.J.スターン教授、ローレンシャン大学のM.I.レイボーン准教授らの国際共同研究チームは、天然ダイヤモンドの母岩として知られるキンバレー岩の噴出数の急増とプレートテクトニクスの関係について新しい解釈を提唱しました。
天然ダイヤモンドの母岩として知られるキンバレー岩(図左)のマグマは大量の水と炭酸ガスを含み、深さ約150−200キロの地底深くの物質を地表に向かって高速に吹き上げると考えられています。約46億年の地球の歴史のなかで、キンバレー岩の噴出は10億年前より古い時代にはほとんど存在せず、7.5億年前以降に急激に増加します(図右)。キンバレー岩の噴出の急増はプレートの沈み込みに伴って地球内部まで水が供給される現在型のプレートテクトニクスの様式が約10億年前に始まったことを示すと証拠と言えます。
本成果は、米国地質学会発行の「Geology」2016年10月号に掲載されるのに先立ち、8月17日付電子版に掲載されました。
(左)天然ダイヤモンドの母岩「キンバレー岩」 (右)キンバレー岩の噴出数の頻度分布
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東北大学東北アジア研究センター
辻森 樹
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