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リンパネットワークを介した新しいがん化学療法

小玉哲也(東北大学大学院医工学研究科 教授、松木大輔(同大学院医工学研究科 元大学院生)、多田明日香(同大学院工学研究科 大学院生)、武田航(同大学院医工学研究科 大学院生)、および森士朗(東北大学病院 講師)らは、ヒトのリンパ節と同等の大きさを有する特殊なマウスを用いた共同研究から、従来の画像診断法では検出できないリンパ節の微小転移の治療や予防を可能にする、新しい抗がん剤投与法を提案しました。 
 本手法では、リンパ節に直接抗がん剤等を注入することで、このリンパ節だけでなく、このリンパ節のリンパネットワーク下流に位置するリンパ節も治療対象にすることができます。
 抗がん剤1滴ほどの量で、転移初期段階にあるひとつのリンパ節を治療することができると見込まれ、この投与量は静脈注射による全身化学療法の投与量に比べ著しく少ない量です。
 この治療法は、これまで高齢や他の疾患でリンパ節郭清術の適応が困難であった患者や、手術では切除が困難なリンパ節郭清域外のリンパ節も治療できることになり、抗がん剤の副作用やリンパ節転移に悩む多くのがん患者を救済できる画期的な治療法になるものと期待されます。

本研究成果は、2016年9月1日(イギリス時間午前10時)Scientific Reports 誌(電子版)に掲載されました。
 なお、本研究の一部は、日本学術振興会研究費補助金の助成を受けておこなわれました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究関連)
東北大学大学院医工学研究科
小玉 哲也 教授
TEL: 022-717-7583
FAX: 022-717-7583
E-mail: kodama*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道関連)
東北大学大学院医工学研究科
担当 総務係 伊藤 昭彦
TEL: 022-795-7491
E-mail: bme-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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