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ナノアンテナで発光波長の精密制御 低損失な光メタマテリアルで可能に

 金森義明(東北大学大学院工学研究科 准教授)、森竹勇斗(現・理化学研究所 研究員)、羽根一博(東北大学大学院工学研究科 教授)の研究グループは、ナノアンテナとして人工光学物質メタマテリアルを用いて量子ドットの発光波長を精密に制御する技術を開発しました。
 本研究グループは、光の波長より小さな金属構造で構成される人工光学物質メタマテリアルに注目し、非対称型ダブルバー(ADB)メタマテリアルを開発しました。周期450nmで二次元配列されたADBメタマテリアル・アレイ上に配置された量子ドットからの発光は、ADBメタマテリアルのFano共鳴と光学的に結合して外部に放射されます。低損失で狭帯域な光学特性が得られるFano共鳴を利用して、量子ドットだけの発光特性と比べ波長選択性の向上と発光強度の増強に成功しました。発光波長はADBメタマテリアルの構造に強く依存するため、今回、10nmの精度で寸法制御されたADBメタマテリアルを発光中心波長1366nmの量子ドットと組み合わせ、1350~1376nmの範囲で発光中心波長を精密制御することに成功しました。ディスプレイ、量子情報通信用微小光源、生化学バイオマーカーなどへの応用が期待されます。
 この研究成果は、2016年9月13日付(英国時間)で、英国科学誌ネイチャー(Nature)姉妹紙のオンラインジャーナル「Scientific Reports」に掲載されました。

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問い合わせ先

東北大学大学院工学研究科 ファインメカニクス専攻
准教授 金森 義明
TEL:022-795-6965
E-mail:kanamori*hane.mech.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学大学院工学研究科 情報広報室
TEL/FAX:022-795-5898
E-mail:eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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