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Balo型同心円硬化症の脱髄機序を解明 -虚血と炎症の相互作用から見えた新しい病態機序-

炎症性脱髄疾患(えんしょうせいだつずいしっかん)は、神経を覆う髄鞘(ずいしょう)と呼ばれるタンパク質が炎症によって破壊される疾患の総称で、主に神経伝達速度が遅くなることにより、様々な神経症状がおこります。その根本的な病態は、主に免疫の異常によって生じると考えられていますが、詳細はわかっていないのが現状です。

東北大学大学院医学系研究科 神経内科学分野の青木正志教授らの研究グループは、この炎症性脱髄疾患の一種で、世界でも稀な疾患であるBalo型同心円硬化症について、日本で初めて放射線学的、病理学的に診断確定しました。また、Balo型同心円硬化症では脳虚血性の変化が炎症及び脱髄に先行して生じること、またその結果、中枢神経内で炎症が惹起されるという病気の進行のメカニズムを病理学的に明らかとしました。本研究はBalo型同心円硬化症に限らず、炎症性脱髄疾患の新たな病態解明にもつながる事が期待されます。

本研究成果は、2016年年10月12日米国神経学会誌Neurologyオンライン版に掲載されました。また、本研究は科学研究費補助金(#15K19473、#26293205)の支援によって行われました。

Balo型同心円硬化症とは

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問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野
医員 高井 良樹(たかい よしき)
助教 三須 建郎(みす たつろう)
電話番号:022-717-7189
FAX番号:022-717-7192
Eメール:y-takai*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道担当)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
講師 稲田 仁(いなだ ひとし)
電話番号:022-717-7891
FAX番号:022-717-8187
Eメール:pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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