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脳内炎症の抑制が恐怖記憶に伴う行動異常を改善する~心的外傷後ストレス障害の治療法開発の可能性~

東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の富田博秋教授(メンタルヘルスケア推進室長、本務:災害科学国際研究所)と災害科学国際研究所の兪志前助教らのグループは、心的外傷後ストレス障害 (PTSD)のモデルマウスで認められる恐怖体験の記憶が持続することに伴う行動異常に伴って、脳内ミクログリア細胞において炎症に関わるサイトカインというタンパク質の1つであるTNFαの産生が増加し、行動異常の改善とともに産生が減少することを発見しました。さらに、ミノサイクリンの投与によるTNFα抑制が恐怖記憶による行動異常の改善を促進することが確認されました。

脳内炎症の精神疾患病態への関与メカニズムを示した本研究成果は、PTSDの治療法開発に結び付くことが期待されるだけでなく、平成28年度からのAMEDの脳科学研究戦略推進プログラム「臨床と基礎研究の連携強化による精神・神経疾患の克服(融合脳)」による助成でToMMoのコホート事業に基づくうつ病の個別化医療技術開発を目指す研究開発課題「栄養・生活習慣・炎症に着目したうつ病の発症要因解明と個別化医療技術開発」にも反映されることが期待されます。

本研究成果は、2016年9月に精神神経免疫学領域で最も被引用数の多い学術雑誌Brain Behavior and Immunity電子版に掲載されました。

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問い合わせ先

(研究内容に関すること)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
メンタルヘルスケア推進室
室長 富田 博秋(とみた ひろあき)
電話番号:022-717-7897
Eメール:htomita*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
長神 風二(ながみ ふうじ)
影山 麻衣子(かげやま まいこ)
電話番号:022-717-7908
ファックス:022-717-7923
Eメール:f-nagami*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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