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最適化・機械学習に特化した量子計算技術の研究を加速 量子アニーリング方式の新規シミュレーション法の開発

 世界中で競争が進む人工知能の開発。その鍵を握るのは、大規模なデータ、そしてそのデータを処理するための高速な計算技術、またそれを実行するコンピュータです。そのような背景のもと、世界各国で専用のコンピュータを作る動きが加速しています。その一つの大きな動きが「量子アニーリング」という方法を利用した量子コンピュータです。東北大学大学院情報科学研究科大関真之准教授らの研究グループは、高度な計算を行う量子アニーリングのシミュレーションを行う新規手法の開発に成功しました。

 新しいハードウェアを作るためには、うまく動作しているのかを担保するためにシミュレーションによる検証を必要とします。しかし量子コンピュータは、これまでのコンピュータとは全く異なる原理で動作しているため、その全容をシミュレーションするためには多くの困難を伴います。その一つの難しさが、異なる可能性を「重ね合わせる」ことのできる量子力学特有の性質を扱うというものです。

 本研究成果では、この重ね合わせの状態を作り出すために利用される重要な「量子揺らぎ」について、これまで利用されてきた「横磁場」という設定法だけに止まらず、より広範囲の様々な量子揺らぎについてシミュレーションを可能にしました。

 本研究成果により、量子コンピュータの開発の後押しにとどまらず、広く社会におけるサービスの多様化・高速化へつながると期待されます。

 本研究の成果は2017年1月23日(月)19時(イギリス時間同日10時)Scientific Reports 誌に掲載されました。

最適化問題と量子アニーリング

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問い合わせ先

東北大学大学院情報科学研究科
担当 大関 真之
電話:022-795-5846
E-mail:mohzeki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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