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超臨界地熱資源は従来予想以上に存在する可能性-次世代地熱発電"超臨界地熱発電"の実現に期待-

 東北大学大学院環境科学研究科の渡邉則昭准教授、沼倉達矢氏(元修士課程学生)、坂口清敏准教授、岡本敦准教授、土屋範芳教授は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センターの最首花恵研究員および米国地質調査所のSteven E. Ingebritsen研究員とともに、高温高圧下のき裂性花崗岩(流体流路となるき裂を有する花崗岩)に対する透水実験を通じて、これまで透水性が極めて悪いと予想された超臨界水(温度374℃以上、圧力22MPa以上の水)が存在しうるような高温高圧の花崗岩質岩石からなる大陸地殻であっても高い透水性をもつ可能性があることを明らかにしました。

 大陸地殻の大部分を構成する花崗岩質岩石は、深度約2km以上の高圧環境において、約360℃以上の温度になると塑性変形し、延性破壊する岩石に変化(脆性‐延性遷移)するため、そのような比較的軟らかい岩石からなる大陸地殻(延性地殻)は、水の流路となるき裂に乏しく、透水性が極めて悪いという仮説が存在していました。

 本研究は、き裂性花崗岩の塑性変形が生じる温度・圧力条件と、透水性への影響を明確にし、この仮説が成立しない場合があること、すなわち、地熱発電に利用可能な超臨界水からなる地熱資源(超臨界地熱資源)が従来予想以上に存在しうることを世界で初めて明らかにしました。

 本成果は、2017年1月24日、英国の科学誌Nature Geoscience(オンライン版)に掲載されました。なお本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業、特別推進研究(25000009)の支援を受けて実施されました。

き裂性花崗岩質岩石からなる大陸地殻の温度と深度または水の流路となるき裂に作用する圧力で決まる弾性および塑性領域と超臨界地熱資源が存在しうる領域との関係。

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問い合わせ先

東北大学大学院環境科学研究科
担当 渡邉則昭,土屋範芳
電話:022-795-7384(渡邉)
   022-795-6335(土屋)
E-mail:noriaki.watanabe.e6*tohoku.ac.jp(渡邉)(*を@に置き換えてください)
    tsuchiya*mail.kankyo.tohoku.ac.jp(土屋)(*を@に置き換えてください)

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