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配位構造の異なる酸窒化物結晶の作り分けに成功―格子歪みを使って酸素と窒素の並び方をコントロール―

 東京大学大学院理学系研究科の長谷川哲也教授、廣瀬靖准教授、東北大学大学院理学研究科の岡大地助教らの研究グループは、神奈川科学技術アカデミー、奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学、高輝度光科学研究センター、名古屋工業大学と共同で、金属酸窒化物の単結晶薄膜を合成し、金属イオン周囲の酸化物イオンと窒化物イオンの配位構造を制御することに成功しました。

 結晶中に複数種のアニオンを含む複合アニオン化合物は、金属イオン周囲のアニオン種の配位構造によって物理的・化学的な性質が大きく変化しますが、配位構造の異なる結晶を作り分ける方法は確立されていませんでした。今回、研究グループは複合アニオン化合物の一種であるタンタル酸窒化物の単結晶薄膜を合成し、薄膜と基板の化学結合を利用して格子歪みを印加しながら結晶成長させました。その結果、格子歪みの大きさを変えることで、最安定でcis型の配位構造のみからなる結晶と準安定なtrans型の配位構造を含む結晶を作り分けることに成功しました。

 この結果は、可視光を吸収可能な強誘電体など、新たな光・電子材料の開発につながると期待されます。

図 (a)ペロブスカイト型酸化物と(b)ペロブスカイト型酸窒化物の結晶構造

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問い合わせ先

【研究に関すること】
東北大学大学院理学研究科化学専攻
助教 岡 大地(おか だいち)
TEL:022-795-3585
E-mail:daichi.oka.d2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

【報道に関すること】
東北大学大学院理学研究科
特任助教 高橋 亮(たかはし りょう)
TEL:022-795-5572、022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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