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震災被害で歯を失うリスク8%増加 ~東日本大震災前後の被災者のデータ分析より~

東北大学大学院歯学研究科 国際歯科保健学分野の松山祐輔歯科医師、相田潤准教授らのグループは、東日本大震災被災者の追跡調査データを分析し、震災被害により歯を喪失する長期的なリスクが増加することを明らかにしました。

災害の健康への影響は長期におよびます。しかし、被災者の歯の健康状態を被災前後で比較した研究はありませんでした。そこで、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県岩沼市に住む、65歳以上高齢者3,039人の震災前後の追跡調査データを分析し、震災の被害と歯の健康について研究しました。

その結果、震災被害が大きい群で歯の喪失が多いという関連が見られました。経済状況の悪化は歯の喪失リスクを8.1% (95% CI: 0.5, 15.7)、家屋の被害は歯の喪失リスクを1.7%(95% CI: 0.2, 3.3) (*1)増加させていました。

被災者はうつやPTSDなどの精神的健康のみならず、口腔の健康も悪化しやすいことが明らかになりました。

本研究成果は、2017年5月4日American Journal of Epidemiologyに掲載されました。

(*1) 95%信頼区間。仮に調査を100回した場合、そのうちの95回は歯の喪失リスクが0.2%~3.3%の間にあるということ。

図:歯を損失した人の割合

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問い合わせ先

東北大学大学院歯学研究科
国際歯科保健学分野
歯科医師 松山 祐輔(まつやま ゆうすけ)
Tel : 022-717-7639
E-mail:matsuyama-thk*umin.org(*を@に置き換えてください)
准教授 相田 潤(あいだ じゅん)
Tel : 022-717-7639
E-mail: j-aida*umin.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
総務係 堀田 さつき(ほりた さつき)
Tel:022-717-8244
E-mail:den-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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