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日本人基準ゲノム配列、精度が向上した新版(JRGv2)を公開

一分子長鎖型シークエンサーを用いた複数名の高深度ゲノム情報を元に日本人に特徴的なゲノム情報を10倍に拡充

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)は、コホート調査の参加者から提供されたDNAをもとに、一分子長鎖型シークエンサー PacBio RS II(Pacific Biosciences社製:以下、PacBio)を用いて日本人の基準ゲノムの構築を進めています。2016年6月に日本人基準ゲノム配列JRGv1 (Japanese Reference Genome version 1)を公開していましたが、今回、新たに2名分を加え、合計3名の全ゲノムを高精度に解読しました。本シークエンス解析の結果、国際ヒトゲノム参照配列に対して、前回の公開分をあわせて、日本人が保有しこれまで報告されてこなかった約9,600箇所の新たな挿入配列、約620万塩基の同定に成功しました。この解読完了から、ToMMoでは、新たに同定された配列群を挿入するなどして得られた日本人の基準ゲノム配列JRGv2 (Japanese Reference Genome version 2)を作成、公開することとしました。今回の日本人に特徴的なゲノム構造の拡充は、前回の約10倍の規模になります。
 また、あわせてデコイ配列 decoyJRGv2を公開することとしました。デコイ配列とは、国際ヒトゲノム参照配列には含まれていない領域をまとめたもので、decoyJRGv2は日本人に高頻度でありながら国際ヒトゲノム参照配列には含まれていない配列で、ゲノム解読時の重要な行程であるアライメントの精度の向上に活用されます。
 両配列の公開は、国際ヒトゲノム参照配列だけを用いている際には精確に読みとることのできなかった領域の研究に大きく寄与し、クリニカルシークエンスを含む、日本のゲノム研究全体を底上げ、加速させるものと期待されます。また今回の成果は、日本人に特徴的なゲノム構造を拡充する成果であり、今後、日本の医学研究の大きな基盤となる成果と考えられます。

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問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
シークエンス解析室 室長
准教授 勝岡 史城(かつおか ふみき)
電話番号:022-273-6214
Eメール:kfumiki*megabank.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学東北メディカル・メガバンク機構
ゲノム情報解析室 室長
教授 長﨑 正朗(ながさき まさお)
電話番号:022-273-6051
Eメール:nagasaki*megabank.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
広報戦略室 室長
長神 風二 (ながみ ふうじ)
電話番号:022-717-7908
ファックス:022-717-7923
Eメール:f-nagami*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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