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生殖細胞の細胞内代謝の特徴と役割 ‐生殖細胞の独特なエネルギー代謝変化の必須な機能‐

 東北大学加齢医学研究所医用細胞資源センターの松居靖久教授と林陽平助教らの研究グループは、マウス胎仔生殖細胞の代謝状態が、多能性幹細胞や体細胞とは大きく異なることを見出し、さらにエネルギー代謝の特徴的な変化が生殖細胞の形成・生存と再プログラム化に影響を与えることを世界で初めて明らかにしました。本研究成果は、生殖細胞の形成・分化に、独特な代謝状態が関わっていることを示し、不妊や先天性異常の原因解明につながる可能性があります。研究結果は、米国科学アカデミー紀要(Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America) 電子版に掲載されました。

ポイント

  1. マウス胎仔生殖細胞では、多能性幹細胞や生殖巣体細胞と比較して、アミノ酸と核酸の合成経路が亢進していること、また解糖系の抑制と酸化的リン酸化の亢進が起こっていることを明らかにしました。 
  2. 酸化的リン酸化の阻害は、胎仔生殖細胞の形成と生存を顕著に抑制し、解糖系の阻害は、胎仔生殖細胞の多能性幹細胞への再プログラム化を顕著に抑制し、また胎仔生殖細胞形成にも影響することを明らかにしました。
  3. 生殖細胞分化における代謝状態変化の役割と制御機構をさらに詳しく調べることにより、不妊や先天性異常の原因解明につながる可能性があります。

図:生殖細胞の分化と代謝状態の変化の関係

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問い合わせ先

東北大学加齢医学研究所
教授 松居靖久(まついやすひさ)
助教 林陽平(はやしようへい)
電話番号:022-717-8571、022-717-8572
E-mail:yasuhisa.matsui.d3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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